弁証論治というシステム

当院では「中医学」をベースにした診察方法を採用しています。

その中でも、「弁証論治」というのは非常にすぐれた考え方で、

西洋医学では対応が難しい患者さん(複数の症状、原因がわからない病気)を治療することができます。

たとえば「めまい、頭痛、ほてり」などを自覚している、ある女性がいるとしましょう。

西洋医学では、めまいなら耳鼻科、頭痛なら神経内科、ほてりなら婦人科とそれぞればらばらの診療科を受診することになり、薬もその分増えてしまします。

しかし、中医学では「肝陽上亢」という弁証を用いて、それらの症状をパッケージングできてしまいます。

弁証が決まれば、すなわち治療方針が決定します。

「肝陽上亢」に対して滋陰潜陽、治療穴は太衝といった具合です。

これを異病同治といって、ことなる病気であっても、同じ治療法で治すことができるという考え方です。

つまり、正確な弁証論治によって、少ない鍼でなおかつ高い効果を出すことが可能なのです。

離断性骨軟骨炎 治癒


以前ブログでご紹介した、「離断性骨軟骨炎」の症例です。

治療開始から約半年で、MRIにて病変部位は完全に消失。

歩行も正常にできるようになり、軽い運動もみんなと一緒にできるようになりました。

リハビリも終了となり、無事鍼治療も卒業することができました。

まだ症例数は多くありませんが、離断性骨軟骨炎に鍼治療が有効と思われます。

専門学生の研修がはじまりました

毎年この時期には、愛知県の専門学生さんたちが研修にみえます。

夏休みを利用して、いろいろな治療院を見学できるのはいい機会ですね。

見学生は熱心な方ばかりで、こちらもついつい色々教えてあげたくなってしまいます。

卒後、鍼灸師としてのキャリアには様々な選択肢がありますが、

まずは西洋医学的な診察がきちんとできること、運動器疾患がしっかり治せること。

ここを大事にしてくださいとお話ししています。

社会で活躍できる鍼灸師がひとりでも多く育つことを願っています。

お盆休みのご案内

8/11(日)~/15(木)までお盆休み期間となります。

ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

デイケアでの体操教室はじまりました

今日は、はじめてデイケア施設での体操教室をやってまいりました!

数年前からつながりのできた施設で、毛利先生が毎週往診に伺っています。

ご利用者の方たち、とてもお元気でした。

最高齢は95歳、足も高くあがり、食欲旺盛。

みなさんと楽しみながら、気持ちよく運動できました。

元気に体操する皆様から、こちらが元気をもらいました!

ベーカー嚢腫に鍼が有効

ベーカー嚢腫(Baker’s cysts)は、膝の裏側にできる嚢腫(液体がたまって腫れること)です。

正式には膝窩(しっか)嚢腫とも呼ばれまます。

膝の屈伸時に痛みや不快感を感じることもありますが、多くは無症状です。

膝裏に腫れを感じて気づくことが多いようです。


原因としては、半月板損傷や膝の外傷、変形性膝関節症による炎症が考えらえています。


原因の治療は必要となりますが、ベーカー嚢腫には鍼治療が有効であることが多いです。

嚢腫を囲むようにして、お灸をすると徐々に腫れが引いてきます。


また、半月板損傷、変形性膝関節症などが疑われる場合には、MRIの撮れる病院をご紹介することもできます。

ベーカー嚢腫や膝関節に関するお悩みはぜひご相談ください。

やさしい鍼の打ちかた

今日の勉強会は「痛みの少ない、やさしい鍼のうちかた」をみんなで練習しました。

いかにやさしく鍼を打てるか、というのは治療効果に大きく影響します。

心地よく、かつ治療効果がしっかり出るよう治療するにはいろいろ工夫が必要です。

今日の勉強会は、わたしが普段意識している“やさしい鍼のコツ”を共有しました。

わたしがこれまで教わったことや、経験上うまくいったことをみんなとシェアしました。

スタッフ一同で楽しみながら、スキルアップに全力です!

瘀血(おけつ)の悪化に注意!

ここ最近、瘀血が悪化している人が多い印象です。

瘀血というのは、東洋医学でいうと血行障害のことです。

原因は様々ですが、クーラーの冷たい風は痛みにとって大敵です。

冷たい風は、血行障害を引き起こします。

肩関節、首、膝関節、神経痛がある部位に、直接クーラーの風があたるのはNG!!


以下のような症状があるひとは瘀血の可能性があるので要注意

・動かした時にズキンとした痛みがある

・痛む部位がいつも同じ

・冷えると痛みが悪くなる

・夕方〜夜にかけて痛みが強くなる


患部をかならず服やタオルで覆って、冷えないようにしましょう。

短パンやタンクトップなどは注意!

この夏、クーラーは必須です。

うまく対策して、冷えから体を守りましょう。

圧迫骨折を早期に発見!:すばらしい初期対応

本日、飛び込みで来院された50代の女性。

2日前に転倒され、尻もちをついた後から腰痛が出現したとのこと。

寝返りなども困難ということで、当院に受診されました。

ベッドサイドの検査では、腰椎叩打痛(+)体動時痛(+)

圧迫骨折が疑われたため、すみやかにMRI検査を依頼。

結果、その日のうちに「圧迫骨折」の診断となりました。

N先生の的確な診察と、紹介状を介した迅速な対応がすばらしかったです。

ちなみに、圧迫骨折してから日にちが浅い場合、レントゲンを撮っても約40%は画像に映らないと言われています。

初期対応としては、MRIがとれる病院を紹介することが重要です。

またひとつ医療連携のかたちができました。

院長が認定鍼灸師になりました!

私ごとですが、この度(公社)全日本鍼灸学会の認定鍼灸師に合格しました。

わたしは861番目の認定鍼灸師として、全日本鍼灸学会に登録されました。

ちなみに、父親は726番目の認定鍼灸師でした。

父親の影響も多少(?)あって、認定取得に向けて頑張ってきたかいがありました。

これから当院は、認定鍼灸師をめざす人たちの研修施設となります。

治療技術だけでなく、紹介状を介して地域の医療機関と連携したり、

医療職としての倫理観と責任を果たせる、レベルの高い鍼灸師を育てることもミッションです。

「なんでも相談できる街の鍼灸院」を目指してレベルアップを続けていきます!