交通事故

交通事故の後遺症の患者さんが多い

多くは被害者側である

自分に過失がないのに、事故の被害者になって後遺症に苦しんでいる

この苦しみが痛みの閾値を下げるのである

よって、痛みを強く自覚する

保険会社は加害者が被害者に直接会ったり、謝罪することの指示はしない

被害者のこころは相手に謝罪されることによって、ほぐれて、癒される

病も早く治るのに・・である

ここでも、こころのケアが必要になってくる

恨んでも、嘆いても、悔やんでも、後悔しても、何も得られない

皮膚の発赤

青いバラ(可児バラ園)

70才の女性で1週間前から右の乳房全体が真っ赤になっていた
本人は私に相談する
皮膚科に行ったほうがいいでしょうか?
私は言った、鍼治療で早く治りますよ・・と
患者さんは喜ぶ、あちこち病院に行かなくてもいいので
私の家庭医ができたようで嬉しいと・・

問診すると、発病の5日前から風邪をひき発熱、4日間寝込んだ
内科から総合感冒薬や、解熱剤などを処方されていた
熱は下がって、風邪は治ったかに見えたが
風邪薬を飲み続けていたので
内熱をこもらせてしまったのが原因である

薬を止めていただき
2回の鍼治療であれだけ赤かった乳房の発赤はきれいに治った
れい兌という足の指先のツボに刺絡(しらく)という
ごく少量の血を出す処置をしただけである
患者さんにはとても喜ばれ感謝された

東洋医学は常に病の根本的な原因を探って、処置をするので
驚くような効果を見せることも珍しくない
またひとり患者さんを救うことができ
この医学を学んでいて良かったと思う瞬間である

こころ

最近診ている患者さんには精神科の疾患がとても多い

30才から70才まで、男女を問わず最近は特に増えている

うつ病、パニック障害、不眠症、統合失調症etc

師匠の藤本蓮風先生は

こころを入れる器の身体を治せば,こころにゆとりを与えて良い結果を生む

とおっしゃっている

事実こころを病むと多くの不定愁訴を訴えることが多いのだが

来院された時にはすでに少なからず抗鬱剤や催眠鎮静剤、精神安定剤などの

薬物の投与を受けている方がほとんどだ

まず、不眠を訴える方には、安定剤や、催眠導入剤を徐々に減量して

鍼灸治療によって自然な眠りを得られるようになると、朝の目覚めが良くなり

眠りが深くなったり、眠りに入りやすくなる、

ここからようやく、こころの治療が始められるのである

今まで人の目を見て会話ができなかった人が、目に力が宿ってくる

治療院の玄関に入った瞬間の表情の変化だけでも良くなってゆくのが判断できる

一つのことにとらわれすぎず、気持ちの切り替えができる人は

精神化の疾患にはかからない

しかし、現代社会の縮図がこの疾患に表れている

ひとつひとつ、ほころんだ糸を解く作業が必要である

23種類の薬物を投与されているうつ病の患者さんが実際におられる

数回の鍼治療で眠れるようになった、これから薬を減らしてもらえるのか

医師の良心が見えてくる

膀胱炎

石垣島川平湾

月に一度身体のメンテナンスのために来院されている30代女性の患者さん

一ヶ月前の受診時に、朝から頻尿、残尿感、排尿時の熱感があると訴える

膀胱炎である

腎陽虚と診立ててお腹と足のツボに2本鍼を打って、軽くお灸をした

一ヶ月後の今日来院され、その後の具合を問うと

6月26日の治療後、帰宅した頃には自覚症状は無くなったとのこと、著効である

もともと腎が弱いので、冷房で冷えるオフィスでの仕事は

腎陽虚(腎が冷えること)になりやすいので、お灸を自宅でするように

アドバイスをして今日の診療は終わった

特に女性の皆さん、梅雨明けして暑さもこれから厳しくなりますけども

冷房で下半身が冷えたうえに、冷たい飲み物を飲みすぎると、膀胱炎や、生理痛、

月経不順、身体のだるさ、足のむくみ、等等、下半身の症状が出やすいので、お気をつけください

http://.www.n-acp.com

滑肉門

                          患者さん撮影

当院の内弟子が突然左の親指が痛いと言い出した

診たところ、なんら原因が不明で(本人曰く)突然左の母指のMP関節が腫れて、

痛みで動かせないようである

内弟子なので大方の病因は解っていた

腹診をすると左の滑肉門に邪を認め、左滑肉門に一本の鍼を打った、治療直後に痛みは緩和し

翌日には痛みも腫れも消失してしまった

本人は不思議がっていたが、症は「肝欝気滞」である

所謂ストレスによって経絡の気の滞りが発生したからであるが、

日々の臨床でストレスを受けているなら、一所懸命仕事をしている証拠

こんな急性症状には鍼は驚くほどの即効性がある

腰椎椎間板ヘルニア

                                患者さん撮影

先日腰椎椎間板ヘルニアによる腰の激痛、下肢痛で
歩行もままならない女性の患者さんが来院された

医師からはヘルニアは治らないといわれている

SLR(下肢伸展テスト)は患側10°(+++)と腰椎椎間板ヘルニアとしては非常に重症である
診たては「左下焦の気の停滞」とし、百会左に1本鍼をした、腰部へも軽く鍼とお灸も加えた

2回の治療でSLRは90°(-)となって3回の治療で痛みは消失した
1週間だけ、立ち仕事は休んでいただいたが、今は元気にお仕事をされている

東洋医学は痛みの疾患であっても、気の偏りを整えるだけで苦痛から開放することができる
ヘルニアは治らないといった医師の言葉は間違っているわけではない

MRIの画像診断ではヘルニアが消失したわけではない

これは椎間板ヘルニアの症例で、鍼治療前と治癒した後のMRI画像を確認したところ
脱出した椎間板(正確には髄核)にはほとんど変化がないにもかかわらず、
自覚症状は消失し、経過も良好である患者さんを多数経験しているからである

ということは、機質的(画像などで異常が認められる)な病変があっても発病
(痛みを自覚すること)の原因は東洋医学的には、別のところにあるということである

この患者さんは大きなストレスを抱え、仕事も休めない状況の中で無理をされていた
「肝欝気滞」が病因の大きな要素となっていたのである