水曜勉強会開催!

今日は、院内勉強会。

上半期は頭を西洋医学に切り替えて、

現代医学的に運動器疾患の鑑別や治療について勉強しました。

いよいよ、残すところ膝関節と腰のみ!

今日は膝関節周囲の経穴、筋、関節などの触察と、理学検査のおさらいをしました。

長岡治療院の勉強会は、みんな楽しみながら、新しい知識をアップデートしています!

院外からの見学や参加も随時募集しています!

一度ご連絡ください!

毎週水曜日21:00~22:00が勉強会です。

不安について 2

顔に表れる不安は、表情だけではありません。

「まばたきの回数」は不安と関連しています。

まばたきにはドーパミンが関係していると考えられています。

不安が強い場合、ドーパミンの分泌は過剰になり、まばたきの回数は増加します。

ドーパミンの分泌が低下するパーキンソン病では、反対にまばたきは減少し、

表情に乏しくなります。

不安が強い場合の身体所見のまとめ

・まばたきの回数
・高血圧、頻脈、手指の冷え、発汗
・目を細める、目をこする、眉間にシワを寄せる
・下唇を噛む、歯を食いしばる
・ため息が多い

患者さんから不安感について話されることは多くありません。

治療者は、患者さんの表情や仕草などから、不安を感じ取れるスキルが必要です。

第60回 愛知県鍼灸師会研修会に参加

昨日は、名古屋市立大学医学部附属病院で行われた、愛知県鍼灸師会の研修会に参加しました。

講師は、鍼灸師の伊藤和真先生でした。

緩和ケアと鍼灸についてのご講演と実技を披露していただきました。

緩和ケアは、がんなどの難病を抱えている患者さんの苦痛を軽減を通して、

QOL(生活の質)を高めることが目的です。

緩和ケアにおいて鍼灸は、積極的治療(手術、抗がん剤、放射線)を行っているときから、

亡くなるまで、すべての期間で治療を行うことができます。

術後の疼痛から、抗がん剤の副作用の軽減、終末期のケアなど幅広い適応があります。

伊藤先生は、触れることの重要性、適切な刺激量、批判的吟味について強調されていました。

伊藤先生は、京都大学にて博士号(人間・環境学)を取得されています。

研究に携わった方に共通しているのは、批判的に吟味する能力が身についていることだと思います。

常に頭で「なぜ?どうして?」と自分に問いかけ、最善を模索する姿勢です。

ひとつの治療法や、理論に固執せず、幅広い視点で診療に取り組む姿勢には大変共感しました。

日々の忙しさのなかでも、批判的吟味・思考を忘れないようにしたいですね。

不安について

不安になったり、心配事があって気分が落ち込むことは誰にでもあります。

しかし、病的な不安は日常の些細なことでも過度に不安を感じて、それがなかなか頭から離れません。

不安が長期間続くと、胸がドキドキ、冷や汗、呼吸がしにくいなど身体症状が現れます。

このような状態を「不安症/不安障害」といいます。

実は、「不安障害」は「うつ病」よりも多いと言われています。

鍼灸院でも遭遇することの多い病態です。

不安を感じている人は、表情や仕草、話し方に表れます。

たとえば、目を細める、眉にシワを寄せる、下唇を噛むなどは、不安を感じているサインです。

眉をハの字にした、こんな顔→(´・_・`)も不安そうな様子を感じます。

つづく・・・

高齢者の骨折について

高齢者の骨折で多いのは、

1.圧迫骨折(胸椎・腰椎)

2.大腿骨近頸部骨折

3.橈骨遠位端骨折

圧迫骨折は一般的に、転倒などの外傷が原因と思われていますが、

圧迫骨折症例の2分の1は外傷歴がありません。

また新鮮骨折の場合、42%はレントゲンに骨折像が写らないと言われています。

これをOccult Fracture(不顕性骨折)といいます。

この場合、X線では折れているかどうかの判別が困難なのでMRI検査が必要です。

圧迫骨折の治療は、

歩行可能なら帰宅、歩行不可なら入院が基本です。

入院治療は、経皮的椎体形成術(PVP)がもっともエビデンスの高い治療です。

可能であれば、PVPを受けれる病院をおすすめします。

プライマリ・ケア学会
骨折ハンター Part1 札幌徳洲会病院 増井先生のご講演の一部でした。

プライマリ・ケア学会に参加

昨日は、京都で開催されたプライマリ・ケア学会に参加しました。

プライマリ・ケアとは・・・

医療には大きく分けて2つの分類があります。

1つはスペシャリストといって、各分野の専門的な知識と技術をみにつけている医師や看護師です。

例えば、循環器内科専門医、呼吸器外科専門医、緩和ケア認定看護師、皮膚排泄ケア認定看護師などです。

2つはジェネラリストといって、各分野のエキスパートになるのではなく、幅広い知識を持ち

総合的に患者の治療やケアを行うものです。例えば、総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医などです。

プライマリ・ケアは「なんでも相談にもってくれる総合的な医療」といえます。

私がこの学会に参加した理由は、実はプライマリ・ケアと鍼灸(東洋医学)は考え方に共通点があるからです。

両者とも、「病気」や「症状」を治癒することが目的ではなく、病を抱えているその人を総合的に診て

そのひとの生活背景や人間関係に目を向け、心と身体を切り離して考えないという点です。

また、病気の予防(未病という東洋医学の考え方)も重要視します。

まさに鍼灸師は日頃からプライマリ・ケアを実践している医療職種といえます。

学会に参加する大半は医師ですが、鍼灸師としても学ぶことの多い学会でした。

つづく・・・

鍼灸学会のポスター発表での症例

鍼灸学会で、特に興味深かったポスター発表を紹介します。

タイトル:巨闕穴への円皮鍼でストレスを緩和できるか

Patient:健康学生の心身状態とストレス反応を指標として

Intervention:心の募穴「巨闕」にPyonexを6日間貼付し、対照群は無治療とする(4週間継続)

Comparison:貼付前後のGHQ28(精神健康調査)とOHQ57(東洋医学健康調査)、巨闕の硬度、圧痛閾値を

測定し、対照群(無治療)と比較

Outcome:有意差は無いが、圧痛閾値、巨闕の硬度、GHQ28とOHQ57のスコアが減少傾向、

OHQのスコア別では心脾のスコアが有意に減少した。

長期のストレス負荷は、肝だけでなく心、脾などの働きを低下させることから

心の募穴である「巨闕」をしようすることで、心脾両虚のような肝鬱気滞から派生した状態に、

有効性を示すことが示唆されました。明日の臨床に役立つ情報を知ることができました。

リベド血管炎の発表資料

リベド血管炎の症例報告について

今回の鍼灸学会で発表した内容が

所属する(一社)愛知県鍼灸師会会報に

掲載されることになりました

つきましては会員各位がが閲覧できるように

ブログにポスターと写真を貼り付けました

院長より

全日本鍼灸学会 参加報告その2

こんばんは、長岡哲輝です。

全日本鍼灸学会は、2日目からの参加でした。

前日は、友人の結婚式に参加していました^^

学会に参加して、同年代の鍼灸師や、学会役員の先生方とお話していた中で、

特に大学や大学院卒の鍼灸師が、質の高い研究を報告することが、

学会の地位向上と、発展に重要と感じました。

実は、大学同期で学会に参加している鍼灸師は数名ほど・・・・

その中で学会発表をしているのはさらに少数。

学術大会の存在すら知らない鍼灸師も多数いるでしょう。

これからの鍼灸学会をよりよく、地位を向上させるためにも

我々若い世代がまずは参加!

そして質の高い発表をすること!(今年は僕もできてません、反省!)

来年は京都です。

母校のある京都で、大いに盛り上がる学会になることを期待します。

リベド血管炎(症)の症例報告

院長投稿です

第68回(公社)全日本鍼灸学会学術大会in名古屋に参加

会場:名古屋国際会議場

「リベド血管症の一症例」をポスターセッションで発表し

この疾患について鍼灸の症例報告は過去になく※世界で初となった

※Pubmed,医中誌等の検索による(英文検索も含めて)

症 例:50代女性

主 訴:リベド血管症による下腿の潰瘍の痛み

現病歴:X-7年下腿全体に紫斑出現

    X-5年潰瘍が出現ビリビリした痛みも出始める

    大学病院の皮膚科でリベド血管症と診断

    内服治療で変化が認められずにX年7月潰瘍部が悪化し

    足関節部が腫れて毎晩2~3回痛みで目覚めるようになる

    下腿の痛みで足を引きずって歩行する状態でX年8月当院受診

東洋医学所見:脈診:中位緊細、一息4至

       舌診:少し暗紅色、胖大、薄白苔、舌腹は暗紅色舌下静脈怒張、瘀斑あり

弁 証:気滞血瘀

鍼治療:右合谷に15㎜2番鍼、左三陰交に40㎜2番鍼を20分間置鍼。週に1回の通院頻度とした。

経 過:鍼治療開始1ヶ月第4診目で下腿潰瘍の状態が改善し始め、

    下腿の痛みはNRS10→5に軽減。3ヶ月第12診目で下腿潰瘍は消失,下腿の痛みも消失した。

考 察:リベド血管症は、再発寛解を繰り返す有痛性皮膚疾患で

    有病率は10万人に1人という稀な疾患

    皮膚科学会での治療のガイドラインがなく治療法が定まっていない

    ステロイドは無効

    当院で21例の名の症例の内

    遠方により通院困難な7名

    脱落3名、治療終了3名、通院中8名

有効率78%

    男女比1:4、発症時平均年齢28.1才、初診時平均年齢36.8才
   
    多くは梅雨期から初夏に悪化する傾向があり

    年単位での慎重な経過観察が必要な疾患といえる
    
    聴講された鍼灸師の先生の殆どがこの疾患の存在をご存じなく
 
    症例集積を継続して学会誌に投稿したいと考えている

    
感 想:今回鍼灸学会に症例報告する準備を進めることで、

    リベド血管症についてより深く知識を深め

    発表後に熱心に質問された先生方からは今後の症例集積
    
    への指針となるアドバイスも頂き、とても良い経験となった

    来年は京都で開催されます