癌と鍼灸

【癌と鍼灸】
 6月13日14日に埼玉県のさいたま市で(社)全日本鍼灸学会学術大会が開催され、
スタッフ4人で参加してきました。
毎年開催される鍼灸の臨床研究、基礎研究、の発表や、様々なパネルディスカッションなどが分科会形式で、同時進行して複数の会場で聴講ができます。
今年の一番の収穫は「癌と鍼灸」がテーマのパネルディスカッションが最もインパクトがあり、大変勉強になりました。

 総括すると、癌医療の現場では、「抗がん剤」「放射線」は副作用が強くかえって免疫力を低下させて、癌の再発率を上げている、という認識を持つ医師が少しずつではありますが増えてきているようです。
 米国では米国癌学会で抗がん剤は”向癌剤””増癌剤”ともいわれ、癌学会会長が下院議会で抗がん剤や放射線は癌に対しての治療効果はない!・・とはっきり報告したそうです。
そういった、情報をよく研究されている医師の一部で、新潟大学医学部教授の安保徹先生が提唱する「免疫療法」といい、白血球のなかのリンパ球を活性化する治療をすることで、癌細胞を不活性化して、転移や再発率を防いで治療成績をあげている、といった報告が複数なされました。

 「免疫療法」の中心は実は「鍼灸治療」なのです。がん治療の最前線の医師が鍼灸治療を第�選択に取り入れているのです。それも抗がん剤や放射線を使わずに・・・
鍼灸治療をすると腫瘍マーカーの数値が下がり、活性化したリンパ球の数が増えてていくのです。そして、玄米食などの食事療法や、精神的なケアを十分にすることによって、驚くような成績を上げているのです。
もはや、癌は鍼灸の適応疾患であるといっても過言ではない、とういのが今回のパネルディスカッションの結論でした。(第�選択で外科的な摘出が優先ですが)少なくとも、抗がん剤や、放射線を使い始める前から治療を始めると効果的なのです。

 当院でも癌患者への治療を数多くしていますが、疼痛緩和や、再発がなくなることを実感しています。そして最も重要なことは臨床家と患者の強力な信頼関係です。今後も体に負担のかかり、免疫力を低下させる抗がん剤や、放射線に頼らない、自然治癒力を増進させる目的で鍼灸治療を求める患者さんは増えていくと思われます。

 当院でおこなっている少数鍼治療や、刺絡(指先から少量の血液を出す治療)によって
少しでもがん患者さんへの疼痛緩和、QOLの改善、再発予防に貢献できればと強く思い、
日々勉強、研究、臨床に真っ正面から向かっていきたいと考えます。