鬱病の症例

うつ病の症例

40代♂

主訴:不安感・気分が落ち着かない

   頭が締め付けられる
 
   眠りが浅く一日ボーとする

   記憶がとぶ

   食欲がない

現病歴:1年前から家庭内の問題でストレスが増える

    心療内科でうつ病の診断

    抗うつ剤・安定剤処方されるが主訴は変化がない

弁証:四診合参し”肝鬱化火”と診たてる

処置:左後谿に蓮風鍼3番で10分~15分の置鍼を

   週に2回続け、一ヶ月で主訴は軽減

   減薬をしつつ治療を続け、薬なしで症状は安定

   11回の治療で主訴は消失治癒

※ 適宜カウンセリングをしつつ薬物に頼ることなく早期に治癒に至った症例

秋の養生法

東洋医学による秋の養生法

1・乾燥を防ぐ

秋になると気温が下がり始め、雨も少なくなって湿度が低くなり、空気が乾燥してくる

五行の考え方では秋は肺に対応しており

乾燥した気候は肺の陰気を損傷させ易いと考えらる

そのため、口や咽喉が渇く、空咳が出る、肌が乾燥する

便秘しやすいなどの症状が出易くなる

したがって秋の養生は乾燥を防ぐことが第一に重要です

2・冷えに注意する

乾燥と同時に、秋は冷気も忍び寄ってくる

夏に大汗をかいて人体の各組織は水分が不足している状態といえる

このとき冷気に侵され下焦が冷え、上熱下寒となり

頭痛・鼻づまり・胃痛・関節痛などの症状が現れやすくなる

特にお年寄りや虚弱体質の人はこうした気候の変化への適応能力や抵抗力が弱いので

冷えには充分注意が必要

肝と疲労

≪黄帝内経・素問≫第六節第九

身体の中心にあって植物の幹に相当する位置を占める”肝”は

エネルギー(血)の貯蔵と供給を通して

身体の活動と疲労を担当する器官で、魂の宿るところである

その機能が外に華やかに映えるところは爪である

その充実した力が現われる場所は筋である

また血気の働きを育成する

肝は腹部にあり、血の貯蔵、育成、罷極(ひきょく)に関係する

注)罷極(ひきょく)

  罷は疲と同じ意味で”疲労”のこと

  極は全身を緊張させて頑張ること

  罷極とは人の活動における弛緩と緊張を意味する

  肝は血を貯え、血は栄養素としての栄気が含まれている

  これを必要に応じて放出する

  そして”極”(活動)を起こす

  過度となると疲労困憊する、これが”罷”である

※ 疲労は全ての病に影響する重要な要素で

  極まると臓腑病、難病、癌などにも発展すると

  藤本蓮風先生は述べている  

魂と魄

≪黄帝内経・『霊枢』本神第八≫

人は魂と魄から成る

叉、人は形(体)と気(神)から成る

魄は形、魂は気に当たる

気の高次元のものを神という

精神、神経の働きである

精はエネルギーの坦体であり、栄養素である

魂は気すなわち神と連動し

魄は形すなわち精と連動する

所謂「病は気から」という

神主学説の原点が述べられている

黄帝内経とは

『黄帝内経』とは2000年以上前に中国で書かれた

最古の医学書といわれ、謂わば東洋医学のバイブルである

『黄帝内経』が書かれた時代、医療は現在のように機械を用いたり

細胞を見るなどのミクロの医学はなかった

その代わり、人が生きていることを「全体的(マクロ)に」捉え

生命の営みを緻密に診ていたのだ

そこで得られた知見が示すのは、人と自然の関係、臓器同士の結びつき

心と身体との関連といったことであった

病気だけを問題にするのではなく

その人の習慣や感情の傾向、食事

またはその人の住んでいる土地、季節などとの関わりから、総合的に診ていた

人が健康で寿命をまっとうするためにはどのようにあるべきか

東洋哲学の観点から病気を考えていた。

これは最近、現代医学が目を向けはじめた

「生活の質」(QOL)を高めるという発想ときわめて近いものがある

身体に負担をかけず、自然のルールに従って健康を保持し

病気を克服するというものである

奇しくも、現代の生活に足りないとされている

まさにその要点がこの書物にあふれている

脱毛症治癒

10代♀

昨年秋から髪が抜け始め

円形脱毛に気付いてから脱毛が頭部全体に広がる

漢方薬内服するも効果なく(薬品名不明)

四診合参し弁証は心肝火旺

漢方薬の内服を中止して

少数鍼で週に一回の治療を、半年間継続し治癒に至る

写真は初診時・3カ月経過後・最終治療日

寒熱狭雑

アトピー性皮膚炎を始めとする皮膚湿疹の弁証分類

正しく寒熱の弁別をすること

舌色での寒熱の判断は最も信頼性がある

舌背に苔が厚く舌体の寒熱が不明の場合は

舌腹(裏)の色調で判断するのが基本

紅に傾いていれば”熱”淡白であれば”寒”

寒熱狭雑は寒と熱が混在している場合で

注意が必要なのは、仮象を詳細に観察する必要があるということ

顔面紅潮して皮膚表面が熱くても本質は”寒”の場合もある(真寒仮熱)

逆に皮膚が冷たく四肢厥逆していても本質は”熱”のこともある(真熱仮寒)

真熱仮寒は急性の中期、極期に、真寒仮熱は慢性病の末期に出現することがあり

熱傾向であっても寒に転化することもあれば、寒傾向のものが熱化することもある

狭心症の一症例

70代♀

狭心症による息苦しさ・胸苦しさ・胸痛

20年前に冠状動脈にステントOpe

ニトロを使用するが一ヶ月間症状に変化なし

脈は沈虚按じて無力

舌下静脈怒張

弁証は肝腎陰虚症

左照海に蓮風鍼3番を20分置鍼

置鍼中より胸が開き呼吸が楽になり主訴は消失

経過は以後良好

昨日循環器の検査を受けるが全て異常なし

脈は中位で滑脈に変化

舌下静脈怒張は軽減

弁証を見直して症状が激変した一症例だった

第47回三県合同研修会報告

9月8日~9日に名古屋KKRホテルで

第47回愛知・岐阜・三重・三県合同研修会が開催された

延べで110名の参加者

朝9時~17時までびっちり詰まった過密スケジュール

昼食時はランチを食べながら鍼と艾の製造工程のセミナー

休む間がなく濃密な講義の連続であったが

皆集中して聴講して頂き

大変充実した内容で満足だった、という感想が大半であった

準備に追われた苦労が実り、理事全員で反省会を開いたが

スケジュール通りに滞りなく進行したことで

皆充実感が漂い理事全員のココロがが一つになった時間だった

今日のブログはお休みします

今日は研修会のためブログはお休みします

10日は研修会の報告です