傷寒論①

『傷寒雑病論』は後漢の末期

張仲景(AD150年~219年頃)によって書かれた著明な医学書

その功績により後世の医家から「医聖」と崇められている

「傷寒」とは広義では外邪の因子によっておこる、外感病全般を指しており

狭義では特に風寒の邪によって引き起こされる、急性発熱性疾患を指している

漢方の立場からみると、風邪やインフルエンザを始めとする多くの感染症が

「傷寒」の範疇に属す

日頃の臨床では急性に発症した「喉の痛み」「寒気」「頭痛」「咳嗽」

などの所謂「風邪」の初期症状の鑑別に『傷寒論』の知識が必要

風邪が長引いたり急変した場合にはさらに深い知識が必要となる

以下は次回に続く

会話ができた!

40代♀

脳梗塞により右半身麻痺・記憶喪失・認知能力低下・会話成立せず

百会に鍼を打った瞬間

「ここはどこですか?」

「ここは鍼の治療院ですよ」

「僕の顔覚えている?」

「知っています」

「名札の名前が読めますか?」

「な・・が・・お・・か・・」

「すごいね!初めて会話ができたよ!」

「(^・^)満面の笑顔」

お血による舌の変化

60代♂

主訴:背部痛

西洋医学による診断:肋間神経痛

東洋医学による弁証:気滞血お・右後気の偏在

処置:右天枢

治療直後に舌下静脈の怒張と暗紅色が著しく改善

上の写真は治療前と直後の状態

まだお班(皮下出血の痕)は残るが

主訴は緩和した

百会の効能

頭頂部に”百会”というツボがある

あらゆる経脈、絡脈の気hが集まる処

陽気の調整で使うと,気を下に引き下げることができる

逆に陽気が著しく落ちた場合にはお灸が良く効くので

陽気を上げることもできる

精神科の疾患(うつ病・統合失調症等)

パーキンソン氏病、パーキンソン症候群

不妊症・不眠症・発達障害・アトピー etc・・・

但し初診患者さんにはめったに使わない

左右に気の偏りがあれば

百会の右左も有効だ

生理前後の体調不良

生理前後の体調の変化は虚実の判定において

非常に有益な情報となる

生理前に様々な不調を訴え、生理後には体全体がスッキリする場合

大きな生気の弱りはなく実証型

生理中~後に体全体の疲労倦怠感が顕著になる場合は

虚証で血虚(血が足りない状態)が疑われる

月経時の養生として

①血の停滞を避けるために、油っこいものを控える

②刺激の強い食べ物や、生もの冷えた物の飲食を控える

③冬季には、保温に留意し、夏場もクーラーなどで体を冷やさない

④精神的をのびやかにして、ストレスを溜めないこと

エステサロン?

毎月第3木曜日の休診日のみ

当院は臨時エステサロンと化すことを知る人は少なくない

私の妹がシャルレの下着販売をしている関係で

専属のエステティシャンに場所を貸しているのだ

ベッドが沢山あり使いやすい環境

まつ毛パーマ等が安く人気なので

興味がある方は是非お試しください

勿論私は当日おりませんのであしかららず

素体とは

初診患者さんの問診の重要な項目に”素体”(持って生まれた体質)がある

患者さんが幼児の場合

母体の問診が不可欠となる

母体の生理の情報から母親の体質を知り

懐妊中の飲食、精神状態、出産後の生理の変化

等を総合的に診て判断する

例えば妊娠中に母親にイライラが多く

甘いものや脂っこいものを過食する傾向があった場合

出産後に乳児湿疹が酷くなったり

アトピー性皮膚炎になる場合がある

鍼の補瀉

鍼を経穴(ツボ)に打つ時に

必ず”補瀉”といい患者さんや経穴の状態に応じて

刺激量をコントロールする

瀉法

息を吸い込む時に鍼を刺入する

邪気に当たるまで鍼を刺入する

息を吐く時、はきつくした時に鍼を抜く

この時に大きな邪気は外に出る

その他、鍼の太さや置鍼時間も影響する

東洋医学の臨床とは

東洋医学の病へのアプローチ

素体としての所謂体質改善の処置の前に

まず標治法のアプローチを試みる

例)頭痛の原因が”肝火上炎”の場合は

清熱降火の処置が優先

標の肝火が治まってから

素体としてお血が認められれば

本治法として駆お血を行う

この様な手順で頭痛を根本から改善することが

東洋医学の優れたところである

自分に厳しく

臨床を始めて25年

患者さんの病が癒えていくことは

さらなる高みを目指す勇気を与えてくれる

一つの病が治っても気を緩めてはならない

我が身を振り返ると、常に反省と自戒の日々

ヒトの身体は季節、環境の変化、ココロのあり方で

常に動いている、毎日がいつも同じではない

患者さんと対峙する時、自分のココロは常に平常心、動揺してはならない

ココロを無にして直感的かつ、繊細に体表を観察することが

癒えにくい病を治癒に導くことに繋がると信じて

日々の臨床をさせてもらっている