梅雨と東洋医学

今年は早々と梅雨入りした

梅雨が体に与える影響を気象学より考えると

病因病理は「湿邪」による湿困脾土が中心となるので

飲食不摂生や水分の摂取過剰に注意が必要

梅雨の前半は北西の風の影響や低温により

「寒湿邪」となりやすい

冷飲の摂取過剰に注意が必要

後半は南東の風や高温多湿により

「湿熱」となりやすい

過食やお酒の飲みすぎ、激辛料理は控えめにすることである

以下次回に続く

気逆咳

「気逆」とはヒトの体を巡航している気の流れが乱れ

上に突き上げることをいう

様々な症状を引き起こすので厄介だ

きっかけはここでも「ストレス」

発作的に咳がでたり、頭痛、耳鳴り、眩暈、血圧上昇、不眠、等々

風邪でもないのに急にせき込むことがある

之を「気逆咳」という

素体として心肺の熱傾向をもち、何らかのストレスが誘因となって

発作的にせき込む

治療は清熱・降気

治療予後は非常に良い

真面目で頑張り屋に多い

「鈍感」になることである

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≪素問≫の養生論その2

予防医学は病気の病因論の裏返しである

「素問」「霊枢」の病因論は天地の三才に基づく

1・天の変動、風雨寒暑である
  
  これに対する養生は、「之を避けるに時あり」である
  
  ことに夏の酷暑、冬の酷寒を避ける

  君子は固密にして賊風、虚邪を犯さない

2・飲食居処である
  
  すなわち、気候、風土に基づく衣食住を始めとする日常生活である

  地に対応する、ここでは節度と規律が求められる

3・陰陽喜怒である

  人事の葛藤に基づくストレス的病因である

  ここでの陰陽とは男女のことである

  喜怒は感情、情動の激発である

  情事には節制が求められ、情動には安定が求められる

以上のような養生論が2300年前に述べられたことには

驚くほかない、現代人の不摂生と変わらないのである

ゆえに古典の養生法も現代でも十分通用するのである

≪素問≫の養生論

≪黄帝内経≫素問に記述された養生の方法を記す

一般に養生論は予防医学より範囲が広い

単に肉体と精神の健全を保持することだけを目的としない

さらに深く人間存在の根源的意味を問い、その実現を求める

肉体、精神を越えた生命、「いのち」の実在を探求する

しかし、≪素問≫の養生論はそこまでは立ち入らない

第四章には全道、全神の語があるが、なお不老長寿、長生久視という

より多く肉体的生存を志向する傾向が強い

故に老荘学派の人々から「養生の徒」と罵られることになる

形とは肉体のことである

以下明日に続く

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四時陰陽

≪黄帝内経≫素問・四氣調神大論篇 第二 第四章 第一節より

季節は立夏を過ぎて小満に入り陽気盛んにして万物ようやく長じて満つという

しかしこの時期は天候によって太陽エネルギーの消長の波がおおきい

ゆえに寒暖の差が激しく、陰陽のアンバランスが起きやすい

2300年前の中国医学の原点である≪黄帝内経≫に陰陽の消長についての記述がある

四季における陰陽の消長によって万物は成長変化する

ゆえに、陰陽は万物の根底であり、本源である

季節の推移は太陽エネルギーの地上における消長によって起こる

陽は太陽エネルギーの隆盛をいう

陰は太陽エネルギーの消退をいう

これが陰陽の根本原則である

これより、自然における陰陽

生物における陰陽

人間における陰陽へと

陰陽の概念は発展していく

四季の陰陽の変化は人間の陰陽の変化に影響を与えると言っている

総会報告

(社)愛知県鍼灸専門師会第1回総会が昨日開催された

約40名の参加者であったが極めて滞りなく議事が進み

会員からの質問や意見は受納的かつ会の方向性を問うだけで

短時間で終了した

執行部としては今年度の事業計画が予定通り行うことが確認できた

今迄所属していた法人の総会は6時間もかけて延々と時間を浪費する

無駄な議論に明け暮れていたが、有志の集まりで発足したこの法人は

執行部と会員の一体感を感じたことは本当によかったと思う

第1回総会

明日は(社)愛知県鍼灸専門師会の第1回総会が

名大の鶴友会館で開催される

研究意欲のある鍼灸師のための社団が誕生して半年

組織を立ち上げ会員を募り100人を超える組織にまで育った

明日はその法人の初めての総会が開催される

研修会も合わせて開催するので多くの仲間が集って欲しい

臨床の合間に会務に忙殺されたこの半年間を思うと感慨深い

この法人の発展を祈念したい

カモガヤ花粉症

スギ・ヒノキの飛散が終わってカモガヤの花粉症の季節になった

カモガヤ(イネ科)

開花期:5月~6月

高さ:30~70cm

あき土地、道ばた、畑の周辺に多く、住宅地であればどこにでも見られる

花粉を早朝に飛散させるので注意が必要

対策は

●早朝に窓を開けない、マスク、メガネをつける。

●カモガヤを開花前に刈り取る。

カモガヤはスギ・ヒノキと比較して花粉の飛散距離が短いため

多くの人々に症状は出ないが

花粉1個当たりにの症状のひどさは、

スギ・ヒノキと比較して10倍ほどあるので、バカにできない

花粉の飛散量はこの数日0~400個/㎥程度

花粉症患者さんの10人に一人程度ではないかという印象

早朝の散歩には要注意だ

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三叉神経痛について

三叉神経痛

ある日突然顔の片方の痛みを発症する

部位は頭頂部から側頭部、眼の上下、頬、唇の上下、後頚部、後頭部

皮膚の表面のピリピリ、チクチク、ズキズキと表現する痛み

風が当たっても、髪の毛を触れても痛みが増悪する

発症後3~4日経過しても黒ずんだ水胞がでなければ、

帯状疱疹(ヘルペスウイルスによる)は除外できる

病因は中医学では

1・風寒の邪気

2・肝鬱化火

3・風熱の邪気

4・お血

5・湿痰

その他に歯列の異常・歯ぎしりによる片側の顎関節に負荷が生じた場合も多い

いずれにしても三叉神経痛は病因病機をとらまえなければ治療ができない

圧痛点のみの治療は悪化させることもあるので、局所の治療は避けねばならない

早ければ数回の鍼治療で完治するが、長くても一ヶ月もあれば十分治る

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太衝穴

足の厥陰肝経という経絡の原穴で「太衝」という経穴がある

気の停滞を瞬時に動かすことのできるので常用する経穴である

視力の左右差がある60代の♂

視力は裸眼で右1.5 左1.0

左太衝に鍼を打って10日後

左右共1.5に整った

その速効性に患者さんは驚き大変喜ばれた

一本の鍼で時に驚くような効果を示すことがある

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