腸内細菌と花粉症

http://www.chibakenyakult.co.jp/health3.htmlより引用

乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は「プロバイオティクス」と呼ばれます。

アレルギー疾患(花粉症など)と腸内細菌は相互に関連していることが明らかになっています。

2月も後半に入り、そろそろ花粉の散布が始まる時期になりました。

実は、プロバイオティクスには抗アレルギー効果があり、

花粉症の症状軽減に効果が認められています。
(ビフィズス菌による抗アレルギー効果 日本乳酸菌学会誌 21(2), 112-121, 2010)

プロバイオティクスには、直接的に免疫反応を調節する働きと、

整腸作用を介した間接的な働きがあると言われています。

プロバイオティクスは、ヨーグルトに多く含まれており、

一日200~300gの摂取がよいと言われています。(辨野義己著.「腸内細菌の驚愕パワーとしくみ」p130)

花粉症が気になる方は、プロバイオティクスの摂取を

日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

※ヨーグルトを多量に摂取したからといって花粉症が治癒されるわけではないので注意

※下痢などの消化器症状の強い方は摂取により症状が悪化する恐れがあるので注意

http://n-acp.com

腸内細菌 その4

武田薬品Hpから引用

腸内細菌を乱す原因として食生活の乱れがあります。

特に野菜が少なく、肉中心の食事や、脂質を多く含んだ食事が習慣化すると

腸内の悪玉菌が増加し、腸内環境の悪化に繋がります。

悪化した腸内環境が続くと、腸粘膜の防御機能が破綻し、血中に有害な菌が侵入します。

結果的に、免疫機能が低下したり、内蔵、神経系にも悪影響を及ぼします。

腸内細菌を整えるためには、食物繊維の摂取が重要です。

最初にも紹介しましたが、腸で食物繊維を消化した際に、酢酸、乳酸が生成され、

腸内が酸性に傾くため、善玉菌が住みやすい環境になります。

善玉菌を増やすには、食物繊維を多く含む食材(海藻類、芋類、豆類、緑黄色野菜)、

特に海藻類に含まれるアルギン酸はコレステロールの吸収を抑えたり、

便のかさを増やし蠕動を促進させる働きがあります。

つづく・・・

腸内細菌 その3

腸内細菌と免疫反応は相互に関係しています。

腸内細菌のバランスが取れていれば、免疫反応は正常に働きます、

また、免疫機能が正常であれば、腸内細菌もバランスがとれた状態を保てます。

つまり、腸内細菌のバランスが乱れると、免疫反応が過剰になり

アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や、炎症性腸疾患などになりやすいのです。

では、腸内細菌のバランスを乱す原因は何でしょうか。

一つは、ストレスです。

長期的なストレスは、「コルチゾール」というホルモンの分泌が増加するため

免疫抑制や易感染性により炎症を起こしやすい状態になります。

宇宙飛行士の飛行訓練の際、狭い空間に閉じ込めた場合の腸内細菌を調べた研究では、

“悪玉菌”が増え、“善玉菌”が減少することがわかりました。

同様の結果が、ラットやマウスの研究でも明らかになっています。

このようにストレスに晒されると、腸内細菌は乱れてしまうのです。

つづく・・・

腸内細菌 その2

大塚製薬hpから引用

腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌があります。

善玉菌は消化吸収を助ける働きや、ビタミンの合成、免疫の調節を行っています。

「ビフィズス菌」「乳酸菌」「乳酪産生菌」などは善玉菌です。

悪玉菌は、ガスを発生させたり細菌毒素を産生したり、発がん物質を産生します。

「ブドウ球菌」「大腸菌」「ウェルシュ菌」などは悪玉菌です。

乳幼児は、母乳を飲み始めると母乳に含まれる乳糖、オリゴ糖などにより

ビフィズス菌が増殖し始めます。悪玉菌は殆どありません。

赤ちゃんの便が黄色く、臭くないのは悪玉菌が少なくビフィズス菌が多いためです。

加齢とともに、善玉菌は減少し悪玉菌が増加傾向となります。

つづく・・・

腸内細菌について

腸内細菌は2万種類以上あるといわれ、便1gあたりに1兆個も含まれています。

腸内を顕微鏡で観察するとまるでお花畑のような見た目であることから

「腸内フローラ」とも呼ばれています。

「心と身体は腸内細菌で調節されている」と言われており、

炎症性腸疾患、アレルギー疾患、肥満、糖尿病などは

腸内細菌が発病に関わっていることが分かっています。

腸内細菌は食物繊維を消化する際、

「短鎖脂肪酸」という代謝産物を産生します。

「短鎖脂肪酸」は、腸内を弱酸性に保ち細菌の増殖を抑えたり、

腸の蠕動運動を促す効果があります。

また、短鎖脂肪酸は免疫力を高める効果もあると言われています。

続く・・・

医療におけるICTの活用

こんにちは、長岡哲輝です。

厚生労働省が、2036年の医師不足は2.4万人と言われており、

人口の少ない地方や、医療過疎地では特に医師の数が不足しています。

そんな中、ICTを活用した医療が徐々に普及し始めています。

 ICT(インフォメーション・コミュニケーションテクノロジー)

ヒトとヒト、ヒトとモノをつなぐ情報の共有技術のこと。

医療においては、オンライン遠隔診療があります。

僻地や医療過疎地など医療供給が行き届かないところに、

オンライン上で診察、検査、処方を行うのが「遠隔診療」です。

在宅医療の現場では多職種との情報共有ツールとして、医療介護専用SNSなどがあります。

また、高齢者の生活状況や活動状態をインターネットを通して見守るシステムもあります。

医療の担い手が不足する日本の現状において、ICTの普及により業務を効率化し、

人員不足の解消につながるのではないかと思います。

水曜勉強会

こんばんは、長岡哲輝です。

今日の水曜勉強会は「骨、筋、経穴の触診」を行いました。

我々鍼灸師は、体表から骨や筋肉を触診したり経穴の反応を見て、治療する部位を選択します。

その上で重要なのは、正確な部位に治療を行うことです。

鍼治療は、位置、深さ、手技によって治療の効果に大きく差が出ます。

高い効果を得るためには、まず正確な筋肉や骨、経穴(ツボ)の位置を理解しておく必要があります。

今回は3人ペアになり、ベテランの先生が新人の先生にアドバイスしながら正しい位置を確認しました。

お互い新たな発見があり、明日の臨床に生きるいい勉強会になったのではないかと思います。

今日も22:30までみなさんお疲れ様でした!

鍼灸学科設立40周年を祝う会 参加報告

画像は明治国際医療大学facebookより引用

昨日は、明治国際医療大学の鍼灸学部設立40周年を祝う会に参加してきました。

明治国際医療大学は、1978年に日本で初めて鍼灸の短期大学が設立されました。

その後4年生の鍼灸大学になり、大学院も開設されたことから、日本一の鍼灸大学となりました。

私が参加した記念講座は「かけ算で鍼灸の未来を考える」というテーマで、

明治国際医療大学のOBの先輩方に、今鍼灸師に必要なことや

これからの医療のありかたについて熱くご講演いただきました。

その中でも、私がとても共感したのは豊明医療センターの寺澤佳洋先生のご講義でした。

寺澤先生は、明治国際医療大学をご卒業後、医師免許を取得し現在は総合診療医として、

地域医療や在宅医療の分野でご活躍されています。

寺澤先生は、「地域で活躍する鍼灸師と医師をつなぐ役割を担うことが今後の目標」とお話しされました。

私自身も、地域医療に携わるクリニックや病院との連携を図っていくことは、

大きな目標であり、可能性を感じている領域のひとつです。

さらに、寺澤先生の義理の妹は、明治国際医療大学の29期で僕と同級生なのです!

まさにセレンディピティと呼べるめぐり合わせに感動しました笑

この業界にいると、不思議と同じ価値観を持つ人との出会いがあり、それが歯車となって

様々なことが回り始めるという経験は少なくありません。

この不思議な出会いを機に、少しずつ目標に向かって前進していきたいです!

明日は母校へ

明日は、母校の明治国際医療大学で「鍼灸学科の設立40週年を祝う会」があります。

大学OBの記念講演があるので今からワクワクしています。

恩師の先生方とお会いするのもとても楽しみです。

お世話になった方々へのご挨拶と近況報告も兼ねて、久しぶりに京都へ行ってきます。

報告はまた月曜日に!

過活動膀胱の症例

過活動膀胱とは、膀胱が過剰に収縮してしまうことにより、

頻尿・尿意切迫感(尿意を我慢できない)、切迫性尿失禁(我慢しきれず漏れてしまう)

などの症状を呈する泌尿器疾患です。

30代 男性

主訴:尿意切迫感、頻尿

現病歴:X年1月頃から、早朝や就寝前に5分おきに尿意を催すようになる。

睡眠にも支障が出てきため、当院受診される。

現症:OABSS(過活動膀胱の評価表)7点/15点(中等症) 

尿回数は10回/日以上、腰痛や下肢の冷えを自覚している。

弁証:下焦における寒湿邪の停滞

治療:関元(鍼/灸)

経過:3回の治療で尿意切迫感はほぼ消失、相対的に排尿回数も減少

OABSSは7点(中等症)→3点(軽症)へ改善

患者は日頃からコーヒーや冷たい飲み物をを多飲していたため、

下焦(腎を含めた下半身全体)に冷えが停滞していました。

鍼と灸により、冷えと湿邪の停滞が解消したことが症状軽減に繋がりました。

西洋医学的には、膀胱を過剰に収縮させている副交感神経の働きを抑制したと考えます。