フレイルについて4

フレイルには必ず筋肉の弱りが関係します。

筋力、筋肉の量が減少することを「サルコペニア」といって、

フレイルから寝たきりとなるかたに多い病態です。

サルコペニアの危険度を調べる方法があります。

「輪っかテスト」といって、自分で簡単にチェックすることができます。

「輪っかテスト」のやり方

まず、利き足では無いほうのふくらはぎの一番太いところを親指と人差指で囲みます。

この時ふくらはぎをちょうど掴める人や、隙間ができる人はサルコペニアの危険度が高いです。

隙間ができるひとは、転倒しやすく、うつ傾向にもなりやすいとも言われています。

つづく・・・

フレイルについて3

フレイルには社会的、精神的、身体的フレイルがあり、

これらはお互いに関連しあっており、

フレイル悪循環(フレイルサイクル)と言われています。(画像参照)

フレイルの悪循環を予防するためには、3つの重要な要素があります。

1.食事  2.運動 3.社会参加 です。

まず食事は、タンパク質を含んだ食事を摂ることが重要です。

特に65歳以上は、しっかりとカロリーを取ることが必要です。

高齢者は太っている(BMI28.5以上)より、痩せている(BMI19以下)ほうが

死亡率が高いと言われています。

つまり、65歳以上の方は過剰な塩分制限や、カロリー制限は必ずしも必要ではありません。

しっかりとタンパク質を摂取しながら、3食バランスよく食べることが重要です。

つづく・・・

フレイルについて2

活力や体力が衰えてきた高齢者のことを「フレイル」といいます。

フレイルの診断基準として

1.体重減少(1年間で3~4kg減少) 2.活動量低下 3.疲労感 4.移動能力の低下  5.筋力低下

のうち3つ以上当てはまる場合をフレイル、1~2つ当てはまる場合をフレイル前段階と診断します。

また身体的な問題だけでなく、認知症や抑うつ、意欲の低下など精神的な「メンタルフレイル」、

外出や地域交流の減少、閉じこもりなどを「ソーシャル(社会的)フレイル」

これらの要素が絡み合って、要介護や寝たきりとなり心身の自立が保てなくなります。

フレイルによる、寝たきり、要介護、入院などの患者が増加することで、

医療費の増大に繋がり社会的な問題となっています。

そこで、フレイルの予防には3つの大事な要素があります。

つづく・・・

水曜勉強会

こんばんは、長岡哲輝です。

現在新人スタッフ3名は、2020年度の臨床デビューに向けて、猛勉強中!

今年の勉強会の目標は、新人スタッフの「臨床能力向上!」がテーマです。

臨床では、1.問診 2.診断 3.治療 が基本となります。

新人スタッフは、まず徹底的に“問診”を鍛えられますが、実際の治療の現場では

“診断”を行い、“治療方針”を決めなければ患者さんを治療することはできません。

新人スタッフは、去年だけでも、おそらく50名以上は問診を担当しました。

これからは次のステップへと進むために、診断・治療スキルの向上が必須です!

今日は、その第一弾として「首の痛み」をテーマに、

考えらる疾患や病態についてみんなで理解を深めました。

今日の資料を作るなかで、自分自身も知識の整理や新たな発見があり、

非常に充実した勉強会になりました。

一人前の鍼灸師になるためにインプット、アウトプットの繰り返しです!

フレイルについて

こんばんは、長岡哲輝です。

フレイルという言葉をご存知でしょうか。

フレイルは「虚弱」という意味のFrailtyから作られた造語で、2014年に老年医学会から提唱されました。

筋力や活力が低下している高齢者をフレイルといいます。

日本は超高齢者社会で・・・という話は退屈だと思いますが、

日本の平均寿命がどんどん上がり、元気に長生きする高齢者が増えてくる時代になります。

それと同時に、寝たきりとなり介護が必要になる高齢者も当然増え続けます。

では、元気で長生きする、いわゆる“ピンピンコロリ”な人はどれぐらいいると思いますか?

実は10%程度しかいません。

残りの70%はだんだん体が衰え、最終的に要介護状態となり死を迎えます。

元気で健康な高齢者は、やがて「フレイル」という段階を経て要介護状態に至ると考えられています。

つづく・・・

最善を尽くす

こんばんは、長岡哲輝です。

突然ですが、皆さんは鍼灸に何を求めますか?

ある研究で、鍼灸治療を受けたことのある人を対象に、

「鍼灸をどのような目的で利用したか」ということに関する調査が行われました。

結果は、80%以上が筋肉や関節の痛みなど、運動器系に関わる“症状の軽減”が目的でした。

そのほかには、“疲労回復”、“健康増進”などが挙げられています。

別の調査では、鍼灸師に求めることとして「治療の技術が高いこと」が最も多く挙げられています。

当院へ受診される方の主訴で最も多いのは、研究結果と同じく腰痛、肩こり、膝痛などの症状です。

当然患者さんは、「腰痛を治してもらいたい」と思って受診されます。

では、痛みが鍼で取れればそれでOKでしょうか? 

スキルが高いことが重要でしょうか?

前置きが長くなりましたが、

本当に鍼灸師に必要なのは、「技術を売ること」ではなく「生活を支えること」だと思います。

苦痛を抱える患者さんの“生活”、その先の“目標”を支えることが必要なのです。

柔軟な視点を持って、ひとり患者さんに「最善を尽くすこと」が鍼灸師の役割だと思っています。

この症状にこのツボが効いた!

というのは、あくまで“施術”という鍼灸治療の一面を切り取っただけです。

セルフケア、運動療法、食事、社会参加、地域連携、在宅医療、養生、予防….

鍼灸治療以外にも、ひとりの鍼灸師としてできることは非常に多くあります。

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慢性前立腺炎の症例

院長の症例です

主訴:慢性前立腺炎に伴う陰部のジンジンする痛み

20代男性

現病歴:中学生のころから尿勢弱く、尿切れが悪く、残尿感があり

4年前から陰部のジンジンする自発痛発症

弁証:肝経湿熱

処置:右蠡溝穴に30mm5番鍼、15分置鍼

経過:3回の治療で4年間毎日続く陰部の自発痛は消失する

※陰部疾患に蠡溝は素早く効果を表す経穴で、肝鬱(ストレス)がらみの場合は特に効果的

今日の症例:小便不利、尿量減少、排尿頻度現症、残尿感を訴える女性に蠡溝を使って1回で治癒

しもやけについて

こんにちは、長岡哲輝です。

寒さが本格化してきて、室内と屋外の気温差が激しい時期になってきました。

みなさんも一度はしもやけになった経験があるのではないでしょうか。

しもやけは、手足末端、頬、耳などに起こりやすく、

皮膚が赤く腫れたり、痛み、かゆみなどを引き起こします。

原因としては、寒い風にあたったり、冷たい水に触れたりする「寒冷刺激」により起こります。

寒冷刺激を受けると、血管が収縮して血流が悪くなります。

収縮した血管は元に戻ろうとするため、今度は逆に血管が広がり過ぎてしまい

皮膚が赤くなったり、痛みが起こり、ひどいと水ぶくれのようになります。

しもやけには、血流を改善させるビタミン剤や塗り薬が一般的ですが、

鍼治療でも効果が期待できます。

しもやけの患者さんには「刺絡」という、指先から血を抜く治療を行います。

末端に滞っている血液を抜くことで、血流を回復させ、すみやかにしもやけを解消してくれます。

予防としては、冷たいものに触れない、手袋、耳あてなどで末端部を外に出さないことが大事です。

インフルエンザ流行中2

インフルエンザはまず“予防接種”が重要です。

インフルエンザワクチンは、「インフルエンザの感染を防ぐ」効果と、

「重症化を予防する」効果が期待できます。

インフルエンザワクチンを接種しなかった人とした人を比べると、

発症するリスクが60%減少すると言われています。

ワクチンを接種したから必ずインフルエンザを防げるという意味ではありません。

しかし、肺炎や脳症など重篤な合併症を防ぐ効果が期待できます。

予防法として、基本的な手洗いうがいはもちろんですが、

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下するのでウイルスが侵入しやすくなります。

部屋の湿度は50~60%を目安に、加湿器などで調節するといいでしょう。

前回も書きましたが、インフルエンザは飛沫感染です。

1m以内の範囲での咳やくしゃみなどから感染するので、

人混み、繁華街に出るときのマスク着用はとても重要です。

基本的なことがとても重要なので、これを機会に予防を心がけましょう!

明治国際医療大学がNHKに!

番外編です!

僕が以前所属していた明治国際医療大学がNHKワールドで取材を受けました!

NHKワールドは、民放ではありませんが世界各国でネット配信される国際放送です。

番組の中では、明治国際医療大学附属病院で行われている、がん患者への鍼灸治療や、

附属鍼灸センターで行われている臨床の様子などが取材されました。

外科の回診の様子です。

回診では、医師、看護師、鍼灸師、大学院生が病棟患者のもとへ回診へ伺います。

番組の前半は、胃がん術後の患者に対する鍼灸治療についてです。

後半は、明治国際医療大学の福田教授による、抗がん剤の副作用に対する研究や

うつ病患者への鍼灸治療について解説があります。

全編通して英語ですが、興味のある方は一度御覧ください!

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/vod/medicalfrontiers/2050065/