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疾患別統計3

疾患別統計3

統計データーの修正をします

整形外科疾患52%

それ以外の疾患48%

その内訳は鍼灸治療の特徴として

適応疾患はほぼ全科にわたるが

西洋医学の診療科による分類をすると

神経内科17%

耳鼻咽喉科10.1%

婦人科産婦人科9.9%

アレルギー科8%

心療内科7.5%

消化器内科5.1%

皮膚科2.7%

小児科2.7%

その他13.1%

疾患別統計2

初診時の主訴のうち運動器疾患の内訳

腰痛2692例(43%)

腰痛症1855例

腰椎椎間板ヘルニア265例

仙腸関節捻挫82例

腰部脊柱管狭窄症119例

梨状筋症候群22例

原因が特定できない下肢神経痛349例

頸椎疾患31.6%
(頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症、頸椎後縦靱帯骨化症、胸郭出口症候群、頸椎捻挫等)

膝関節疾患7.8%
(変形性膝関節症、半月板損傷、オスグッド・シュラッター病、膝靱帯損傷、ベーカー囊腫、鵞足炎等)

股関節疾患1.3%
(変形性股関節症、ペルテス病、股関節形成不全等)

肩関節疾患4.3%
(五十肩、肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋長頭筋炎、石灰沈着性腱板炎、腱板損傷等)

その他の疾患
(腱鞘炎、外側上顆炎、TFCC損傷、肋間神経痛、脊柱側湾症、モートン病、スポーツ傷害等々)

疾患別統計-1

30年間の来院患者さんの統計データー

初診時の主訴

運動器疾患(整形外科的疾患)は52%

運動器疾患以外は48%

保険治療患者さんが70%と多いので

運動器疾患の比率が多いと思われる

外側翼突筋への刺鍼

鍼灸専門誌に面白い記事が載っていた

福岡県の歯科医師の臨床報告で

「口腔内から内側翼突筋や外側翼突筋へ刺激をすることで、

線維筋痛症を中心とした慢性疼痛が軽減することが解ってきた」・・と

三叉神経支配領域トリガーポイントへの軽度の刺激が

全身性の慢性疼痛に何故効くのかは、解明が待たれるところであるが

エビデンスより実際に効果があるなら追試したいのが臨床家の本能

早速三叉神経支配領域の鈍痛に悩まされている患者さんに対して

治療の目的と試験的な治療を承諾していただき施術した

患側の聴会穴から下関穴に向けて外側翼突筋に向けて

得気するまで30㎜刺入、20分置鍼

抜針後三叉神経第2枝支配領域のヘドロがたまっているような鈍痛が消失

自分も患者さんも驚く効果を得ることができた

6月の全日本鍼灸学会学術大会ランチョンセミナーで

この歯科医師のデモと解説があるので

早速参加申し込みをした

難治性の慢性疼痛患者さんへの

新たな治療法が開発される可能性に期待は膨らむ

モートン神経腫著効

40代スポーツクラブインストラクター

数年前から足底の痛み発症

かばっているうちに膝関節痛、腰痛も続発

歩行もままならなくなり来院

モートン神経腫の為に

2趾3趾のMP関節底側の痛みが酷い

陽明胃経経気不利と診たて

百会左、左衝陽に置鍼

抜鍼直後に痛みはNRS10→3に軽減

歩行もスムーズになる

他の鍼灸院で沢山鍼を打たれても効果がなかったのが

たった2本の鍼での効き目にビックリされた様子

モートン神経腫は鍼で100%治ります

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本当に必要な薬

最近発刊された「本当に必要な薬がわかる本」には

名大統合ヘルスケアチームメンバーの

高橋徳先生(Dr)が寄稿されているが

もし10種類しかお薬を処方できないとしたら

医師として何を残しますか?

という問いに対して

①感冒薬としての漢方薬(葛根湯・小青龍湯・麦門冬)

②滋養強壮剤としての漢方薬(補中益気湯・十全大補湯)

③抗精神病薬としての漢方薬(加味帰脾湯・抑肝散・香蘇散)

④急性の疼痛や炎症に対する鎮痛剤(NSAIDs非ステロイド系解熱鎮痛薬)

⑤急性の感染症に対する抗生物質(セファロスポリン系・ペニシリン系・マクロライド系)

⑥高血圧症に対する降圧剤(カルシウム拮抗剤)

以上の6種類の薬剤で充分であると答えている

ご自分のクリニックでは原則として上紀の薬以外は処方していないとのこと

あくまで患者自身の自然治癒力を引き出すため

①鍼灸治療

②ヨーガ療法

③瞑想

以上を主な治療としてに取り入れ

漢方薬以外殆ど薬を出さないクリニックは

国民皆保険の我が国では少数派

欧米では珍しくない

安価で気軽に医師にかかれ

薬に依存しすぎるこの国の医療は

国民皆保険制度の弊害ともいえる

低周波を使わない理由

鍼灸院や大学の研究機関で

良く使われている低周波通電治療

我々は一切つ使わない

理由は

極めて繊細な手技を使い

補瀉を考えて一本の鍼を打っている

ここに低周波通電をすると

補法が全て瀉法になりかねない

鍼治療は物理的な刺激療法とは一線を画すデリケートなもの

全身を流れる”気”の滞りや乱れを整えるには

できるだけ少ない鍼が効果的

これを理解できれば低周波通電は

あり得ないでしょう

名大医学部総合診療科統合ヘルスケアチームについて

【私が所属する“名古屋大学医学部統合ヘルスケアチームとは】

2012年名古屋大学医学部附属病院総合診療科において

「統合ヘルスケアチーム」が結成され

日本初の統合医療の実践が始まった

統合ヘルスケアとは、医師と患者の※コンコーダンスに基づき

西洋医学と補完代替療法とを融合(単なる併用ではない)させた上で最適な治療を行うこと

名古屋大学医学部研究棟でラウンドテーブルディスカッション(症例検討会)

が3ケ月に1回行われ設立当初から参加している

名大統合ヘルスケアチームのメンバーは

医師、中医師、鍼灸師、保健師、運動療法士

管理栄養士、臨床心理士、芳香療法士、ヨーガ療法士で構成される

どこへ行っても何をしても改善がみられない

難治性患者のために「多職種連携」し

多角的なアプローチを行う統合ヘルスケアは

今後ますます必要とされる医療になると考えられる

総合診療医の先生たちと熱いディスカッションを交わしていくことで

更に臨床能力を高めたいと思っている

※コンコーダンスとは、「患者を尊重し、医師と患者が一緒になって
治療方針の合意に至るプロセス」という医療の考え方

新たな医療連携

常々西洋医学の専門医との連携を心掛けている

これは安心して鍼灸治療を受けていただくための「保険」である

心療内科・神経内科・整形外科・消化器内科

膠原病専門・脳神経外科・耳鼻科・矯正歯科・名大総合診療科等々・・・

いざという時、精査を依頼できる医師との連携ができる体制をとっている

新たに安城市八千代病院との医療連携が取れることになった

脳神経外科部長の庄田基医師は

脊髄疾患での顕微鏡下手術のエキスパートで

3,000例を超す顕微鏡下手術の経験がある名医である

当院では脊髄疾患を診ることは多く

殆どの症例で鍼灸治療が効果的であるが

稀に手の打ちようがない患者さんに遭遇することがある

顕微鏡下手術の名医との出会いがあり

難治性の重症患者さんを救うことができるようになった

整形外科医の行う内視鏡手術と

脳神経外科医の行う顕微鏡下手術は

精度の点で比較ににならないので

安全かつ後遺症のリスクが極めて少なくなる

問診と医療面接

当院に初めて来院された初診患者さんには

トレーニングを受けたスタッフ(鍼灸師)が

問診室で約1時間程度問診させていただく

この問診は所属する勉強会の「北辰会」専用カルテの内容に基づいて行われ

主訴・現病歴・既往歴・負荷試験・職場家庭環境・七情・飲食二便・睡眠等々多岐にわたる

例えば「頭痛」が主訴の場合、頭痛が起きる根本的な原因や

病の背景を捉えることに重きを置くので、様々な側面から問診を進めていく

患者さんが訴える苦しみに耳を傾け病苦をもたらした原因を探ること

病苦がその人にどのような意味を持っているかを確かめるために交わされる

患者さんとの対話、これこそが問診ではなく実は「医療面接」というのである

医療面接はある特定の話題について突っ込んで話し合うこと(対話)で

患者さんを主人公として物語にまとめ上げていく作業が含まれる

ここでいう物語とは”ナラティブ”という

西洋医学で解決しない慢性の主訴に対して、我々がアプローチする

医療面接は「患者さんという”人生の私小説”を一冊読もうとする行為」であり

個人情報も多分に含まれる為、信頼関係を築きながら対話を進めるといった

高いコミュニケーション能力が不可欠となる

信頼されて対話を進めるためには幅広い知識と人生経験が必要でもある