「あなたの一番の困りごとはなんですか?」

鍼灸OSAKA;: Vol35. No.3; p.107より転載 
 
 
鍼灸OSAKAという鍼灸専門雑誌で、大学の恩師の和辻教授と、以前ご紹介した寺澤Dr.の対談が掲載されていました。
 
内容は、「問診と患者中心の医療」について。
 
日頃から大切だな〜と感じて、実践していることのひとつです。
 
「患者中心の医療」について症例を踏まえて紹介したいと思います。(健忘録的な内容です。)
 
 
先日、「長時間座っていると尾てい骨が痛くなる」と訴え当院を受診された方がいました。
 
お話を伺うと、その症状について友人に話していたら「それだったら、長岡治療院に行きなさい!」
 
と紹介され、「じゃあ鍼灸治療を受けてみようかな・・・」といった経緯で来院。
 
 
しかし、この患者さんからは、「なんとしてもこの症状を改善してほしい!」
 
という雰囲気を感じませんでした。
 
そこで、「尾てい骨の痛み以外に、なにか困っていることはありませんか?」と尋ねると
 
・・・・5秒ほど沈黙し、
 
「実は、三ヶ月まえに旅行先で足をくじいて、骨折してしまったことがとてもショックで・・・」
 
問診では、骨折の既往ついては触れられていましたが、それ以上は聴取していませんでした。
 
「骨折してからは、あまり動く気になれなくてほとんど外には出られなかったです。」
 
「もう少し足が思いどうりに動くようになればなぁ・・・」とのこと。
 
 
これが何を意味しているか。それは「主訴=来院理由」ではないということです。
 
たまたま尾てい骨の痛みが来院のきかっけになったかもしれませんが、実は患者さんが本当に困っていたのは
 
「骨折により足が思うように動かなくて辛い」ことでした。
 
僕がこの方に「尾骨の痛み」を優先して治療していいたら、おそらく患者さんは来なくなっていたでしょう。
 
 
このプロセスは「患者中心の医療」と呼ばれ、患者-医療者間の信頼関係を構築する上で非常に重要です。
 
つまり、鍼灸師と患者の間で「なにが問題なのか」「目標やゴールはどこか」「ゴールに到達するには何ができるか」
 
についてよく話し合って、共通認識を持つことが必要なのです。
 
 
 
つづく・・・