中枢感作とは

近年、抑制ばかりでなく興奮性の系もあることが発見された

興奮性の系は中脳中心灰白質や三叉神経中脳路核などの

中脳深部の核にコントロールされて

延髄背側網様体がその機能を行っていると言われている

そして、この中枢の機能は

中枢感作に深く関わっているものと考えられている・・・

北辰会エキスパートコース参加

昨日は大阪で北辰会エキスパートコースに参加

今朝の大阪の地震にはビックリ

FACEBOOKでは大阪市内の友人の安否情報が届き

全員の無事が確認できました

昨日の勉強会の内容は

①四国の水本先生による

傷寒論で考察する嗅覚・味覚障害

問診力と弁証の奥深さに感銘

②村井和Drと藤本蓮風先生による

日本東洋医学会学術総会での

「乳癌に対する弁証論治による少数鍼治療」

乳癌3症例で腫瘍の縮小と

CA15-3(腫瘍マーカー)の有意な改善が見られたという

奇跡のような3症例

MRIの画像による変化と

鍼灸介入による有意なCA15-3の低下を

スライドで示された

北辰会式少数鍼の可能性に改めて括目した・・・

中枢感作とは

この機能は多くの部位が関係した

非常に複雑な脳の系統によって制御され

青斑核のノルアドレナリンニューロン

中脳中心灰白質および延髄大縫線核の

セロトニンニューロンが主要な働きをしていると言われている・・・

中枢感作とは

顎関節症、線維筋痛症、慢性疲労症候群、原発性月経困難症、過敏性大腸炎・・・

これらの疾患では、普通は痛みと感じない程度の体の異常でも

強い痛みと感じられるようになる

痛みの感覚は命を維持する上でとても重要な感覚で

緊急時には生命の維持に不必要な痛みの信号はカットされ

微細でも危険な信号は増強される

不安な精神状態でも痛みは増強される

このような中枢の機能は、下降性疼痛抑制系と呼ばれている・・・

中枢感作とは

この現象はtemporal summation of second pain

または簡単にwind upと呼ばれ

中枢が疼痛の感度を増大する機能を持っていること示す

健康な人でもこのwind upは起きるが

顎関節症、線維筋痛症、慢性疲労症候群

原発性月経困難症、過敏性大腸炎等では

異常な痛み感度の増大が起きることが報告されている

そして、この異常なwind upを中枢感作と呼ぶ・・・

中枢感作とは

西洋医学では原因不明の慢性疼痛で

「痛みを感じる中枢神経が過敏な状態」

という症例に遭遇することは少なくない

これを「中枢感作」という

通常は痛みと感じない程度の刺激を皮膚に連続的に加えると

徐々に痛みを感じるという現象を研究していた

MendellとWallは

皮膚の感覚受容器から脊髄に送られる信号は増加しないにもかかわらず

脳に送られる信号は増加していることを見いだした・・・

顎関節症と随伴症状

ほとんどの大学病院や歯科医院で

顎の症状と全身の症状は別個の疾患と考えられ

整形外科、心療内科などに紹介される傾向がある

あごに関係した症状だという訴えは無視され

統計的には顎関節症患者の10%に

肩の痛み、首の痛み、腰痛、睡眠障害などの随伴症状があるので

多くの患者さんたちが行き場を無くしている・・・

線維筋痛症と顎関節症

近年の研究によって

腰痛、肩こり、顎関節症、緊張型頭痛などの筋・筋膜痛は

Fibromyalgia(線維筋痛症、FMS)と関係が深いこと

筋・筋膜痛と線維筋痛症(FMS)が連続した疾患であること

大胆にわかりやすく言えば極端に悪化した筋筋膜痛が

線維筋痛症(FMS)であると考えられるようになってきた・・・

顎関節と体調不良との関係

顎関節症は顎が痛み、口が開きにくくなる病気

顎の症状から肩や首や背中、腰痛、頭痛等

全身の慢性疼痛に移行することがある

こういった全身症状や不定愁訴と顎関節症の関係について

歯科でも多くのの研究が行われているが

現在のところ、関係性と治療法に関しての

歯科医の間でのコンセンサスは形成されていない

以下続く

外側翼突筋への刺鍼

難治性の慢性の痛みは

心身の複合的な要因が重なっていることが多い

難渋する痛みの疾患に対して

外側翼突筋への刺鍼が奏功することがわかってきた

刺入を工夫して筋膜に当て響きを得ると

数十秒で難治性の痛みが寛解していく

適応症と治効理論は徐々に明かしていきたい・・・