不測に立ちて無有に遊ぶ

老子曰く「不足に立ちて無有に遊ぶ」

未来を憂えない生活の指針の言葉で

何も未来を予測せずに無心でいることが一番強いことであると説いている

武道の世界で例えると

柔道でも剣道でも、試合で相手と対峙した時

相手がどんな動きをするかシュミレーションするよりも

無心でいる方がより強いものだ

予測と違った動きをされた時の反応の遅れは致命的になる

何も考えていないというのが、最も速やかに対応できる状態であり

それが強さになるということである

今の日本人の生活で例えると

仕事でも家族のスケジュールでも

誰でも計画を立てすぎているように感じることがある

いろいろなことがあまりにも細かく決まっているため

気で感じるとか、直観に頼るといった機会が少ないと感じる

「無有に遊ぶ」に込められた意味は

未来はここにはないのだから

「ないという今を遊ぶ」ということです

多くの人は、今日やるべきことが終わると

明日やることをつい引き寄せてしまいます

「明日できることは今日はやらない」

という強い信念がないと人間は休めないのです

「無有に遊ぶ」とは忙しい現代の私たちにとっても大事な教えなのです