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萎縮性腟炎によるおりもの症例

院長症例

60代女性

Xー3年水っぽいおりものが出始め

大学病院で萎縮性膣炎の診断

産婦人科では卵胞ホルモン剤の処方されたが

副作用が怖くて内服されず

当院に相談があり、

11月25日初診

東洋医学的に四診合算し

弁証は腎虚症

処置は右太谿に10分置鍼

29日二診

鍼治療後から毎日交換していた

おりものシートが濡れなくなったとのこと。

腹診で認められた腎相火の邪消失

私の顔を見るなり

先生おりものなくなりました!

とびっくりした様子

3年前の発症なのでしばらくは経過観察が必要

養生指導は骨盤底筋体操

閉経後のおりもの(不正性器出血)について

閉経後のおりものの原因は様々ですが、最も気をつけたいのは「子宮体がん」です。
 
子宮頸がんは40~50代と比較的若い人に多く、子宮体がんは50~60代の高齢女性に多いです。
 
子宮体がんは初期症状がおりものであることが多いので、早期発見することができるようです。
 
 
子宮体がんと診断された90%以上の人は、不正出血を訴えて婦人科を受診をしていると言われています。
 
普段から観察して、閉経後の不正出血があった場合は、すみやかに婦人科を受診しましょう。
 
 
それ以外にも、閉経後は膣粘膜が萎縮するため、出血を起こしやすくなります。
 
 
つづく・・・
 
 
 

 

更年期障害の中医学的考え方

黄帝内経・素問・上古天真論に

「女性は49歳で任脈が虚し、太衝脈が衰え、天癸竭し、月経が来なくなる」とある

[天癸]とは女性ホルモンと考えても良い

[天癸]の癸とは「みずのと」とも読み

すなわち水行の陰を示しており陰中の虚である

天癸が尽きてしまうことは腎陰の虚と捉え

次に肝腎同源の考え方から肝陰が虚し

それによって肝陽が上亢する

これが肝陽上亢の機序

随って治法は、滋陰、平肝潜陽が基本となる

取穴は照海、太衝、百会などが良く使われる

治療のコツはできるだけ少ない鍼で

置鍼時間を工夫すること

飲食養生法の指導も必要

鍼治療は更年期障害治療の第一選択と言っても良い

漢方薬との併用も効果的

更年期障害

更年期障害とは

更年期(閉経前後約5年、45歳から55歳)

に生じる様々な肉体的、精神的症状の総称

西洋医学的にこの時期に発生する最大のトピックは閉経であり

卵巣機能の喪失によるホルモンバランスの失調が

肉体的・精神的な症状の主因であるが

それ以外のストレスや心理社会的な要因も重なって

複雑な病態を形成するとされている

症状はおもに熱感・のぼせ・心悸亢進・発汗・不眠等

を中心とした自律神経失調症状と

不安感・抑うつ・恐怖感・疲労感などが中心の精神神経症状に分けられる

次回は中医学における更年期障害の考え方の解説