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難治性逆子治癒

第1子逆子

31週で来院

35週目、3週間6回の治療で治癒し普通分娩

第2子も逆子

29週で来院

35週目、5週間11回の治療で治癒し普通分娩予定

第2子の逆子について

逆子の治療症例中過去最多の治療回数となった

第1子が鍼灸治療で治癒したので

通い続けたPtの執念ともいえるが

最終的に胎児の頭の位置側の申脈が奏功した

(至陰は毎回施灸)

考察すると

脈診では一貫して右尺位置の虚であった

腎陽を補う目的で命門の多壮灸(39壮)も試みたが

最後に使った「申脈」

八脈交会穴で陽蹻脈の主治穴

”表の陽気を高める”ことで治癒に至ったと考える

印象に残る症例となった

骨盤位(逆子)の考察

我々は30年前から逆子(骨盤位)に対して

鍼灸治療を試み、28週から32週の間に

鍼灸治療をすると80%以上の矯正率であることを経験している

この度全日本鍼灸学会雑誌Vol.67に掲載されたレポートから

骨盤位と診断されてから鍼灸治療開始までの期間が短いほど

矯正率が上がることが分かった

又、初産婦と経産婦においても有意な差が認められ

妊娠33週時で比較した矯正率は

初産婦51.7%

経産婦84.0%

と大きな差が認められた

骨盤位と診断されてから治療開始までの期間が短いほど

矯正率が上がることは

例えば不妊に対して鍼灸治療で妊娠した場合

出産間際まで鍼灸治療を続けることが殆どで

そういった場合は骨盤位の診断があっても

矯正率はほぼ100%であることからも証明される

ともあれ骨盤位は予定帝王切開に至ることが殆どであることを考慮すると

副作用がなく安全な鍼灸治療が果たす役割は大きいと考える

逆子治療マニュアル

逆子(骨盤位)

妊娠週数28週~33週の間に鍼灸治療が介入し

週に2回の通因頻度で4回以内に

84.2%の確率で頭位に矯正されるというエビデンスがある

担当者による有意差が出ないために

標準治療のマニュアル作成の必要を感じた

鍼灸治療でマニュアル化できる治療は

逆子の治療以外にはないと言ってもいい

帝王切開を避け母体の負担を軽減するために

素晴らしい治療なので更に精度を高めたいと考えている

お灸だけで逆子を治す

逆子(骨盤位)の治療は鍼とお灸が標準治療

妊娠32週の妊婦さん(消化器内科医師)

お灸だけの治療を希望

棒灸(温灸)を三陰交に翳すと右が感じない

左右同じ熱感を感じるまで温め

至陰(足の小趾の外側のツボ)に左右整えの施灸を7壮据えた

2回の施術で頭位が下がったのを触診で確認

翌日エコー検査で正常位に戻ったとの連絡を頂いた

お灸だけで早く治った初めての一症例

腎虚による逆子

逆子(骨盤位)は鍼灸治療の適応症

妊娠28週~32週が成功率が高く87%

一般には三陰交の鍼灸、至陰のお灸だが

中医学的に弁証することで難治性も改善することがある

36歳初産31週で来院

5回の治療で頭が動かないので

太谿に置鍼15分と打鍼で治療後に頭が下りたのを触診で確認

二日後の産婦人科受診でお喜びのお電話があった

一本の鍼だから逆子の正しい弁証が証明できた症例

胎児の頭位を正確に触診するスキルも必要

逆子著効

逆子が1回の治療で治癒

35才♀

妊娠28週で骨盤位(逆子)の診断、逆子体操するも変化なし

32週で来院、羊水も充分、子宮骨盤の状態も良好

三陰交に10分置鍼、左右の至陰(足の小趾外側爪甲根部)にお灸を五壮すえる

翌日の検診で正常位に戻っていることが確認される

28週~32週の治癒率は80%なので

逆子の診断を受けたらお早目の受診をお勧めします

http://wwwn-acp.com

3回の治療で逆子が治癒した症例

「3回の治療で逆子が治癒した症例」

患 者:25才女性

主 訴:骨盤位(逆子)

現病歴:第1子、28週から逆子体操をしているが、治らない。子宮の収縮を抑制するウテメリンを内服している。

脈 診:浮滑
舌 診:淡紅、薄白苔、歯痕、舌尖紅刺
腹 診:全体に少し緊張、胎児の頭位は臍の右側
弁 証:気滞、腎陽虚証
処 置:40㎜、2番鍼を、三陰交、左太衝に10分間置鍼、三陰交に広重灸、両至陰に直灸5壮、治療後に右上の側臥位で10分休憩していただき、治療を終了。
経 過:同治療を3回した後、産婦人科のエコー検査で頭位は正常になったと連絡があり、治療を終了する。

考 察:逆子の治療データーを集計すると、妊娠28週から32週までの成功率が80%平均治療回数は3~4回です。32週以降は徐々に成功率が低下します。帝王切開の予定日直前でも成功した症例もありますが、臨月に入ると難しくなります。

逆子の治療

いわゆる「逆子」の治療に鍼灸が有効なのはまだあまり知られていません。
妊婦さんが産婦人科を受診中に「逆子」と診断されるのは28週頃からが多いようです。
鍼灸治療で最も有効な治療期間は28週から32週の間で、当院でその間の成功率は約80%です。
やはり早期の治療が最も効果的です。
【症例】
10月31日に来院された24歳の第2子の妊婦さんは30週と6日でした。
三陰交という下腿内側のツボに鍼を10分間置鍼して、温灸をし、右の肩こりのツボに3本置鍼しました。11月2日産婦人科でエコー検査で正常位に戻ったことが確認されました。この症例は1回の治療で成功した例ですが、平均すると3~4回で正常位に戻ります。
しかし、あくまで、28週から32週の間で早ければ早いほど効果的です。
また、経産婦さんも成功率が上がります。
逆子と判ったらお早目の受診をお勧めします。