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生活風土によるアトピー性皮膚炎

ベトナムに転勤になった、アトピー性皮膚炎と喘息持ちの方の話

ベトナムに住むようになって病気は完治した、かに思えた

が、たまに日本に帰ると一気に悪化するという

ベトナムは亜熱帯で高温多湿

最高気温は40°湿度80%が普通とのこと

当然発汗量は多い

ところが、日本に帰国すると今年の猛暑でも

ほとんど発汗しないという

アトピー、喘息は猛烈に悪化する

病理は”内熱”だ

ベトナムの高温多湿の環境でも多量の発汗によって

内熱は生じないので発症しない

日本程度の高温多湿では発汗しないために

内熱が生じ悪化する

脱ステロイドに成功したアトピー性皮膚炎

患者:高校生♂

主訴:アトピー性皮膚炎による激しい痒み、気管支喘息による呼吸困難

現病歴:生後1カ月からアトピー性皮膚炎発症

    2才から気管支喘息発症

    ステロイド塗布・内服 緩解→脱ステロイドの失敗を繰り返す

初診:’12年4月

弁証:肝鬱化火

処置:百会・後谿を適宜一穴のみ選穴し20分置鍼

経過:約2カ月12診目頃より皮膚の状態改善するが、事情で来院困難となり

   治療休止し8カ月後。皮膚の状態は初診時より悪化し再来院

再診:’13年5月

弁証・処置は前回と同じ

経過:約2カ月17診目でほぼ正常な皮膚の状態に大きく改善

   喘息発作もなし

   今後は月に1~2回の通院でケアすることになった

   脱ステロイドに成功した一症例

上の2枚の写真は再診時

下の2枚の写真は最近の状態

http:www.n-acp.com

※8月10日~15日は休診となりブログもお休みいたします

アトピー性皮膚炎の勉強

今夜の勉強会は

アトピー性皮膚炎の弁証分類と治法

当院で33例の症例があり

著効有効合わせて70%程度で

一定の効果を上げている

初診時にステロイドを中止している場合は

鍼灸単独でよいが

ステロイド使用中の患者さんは

初期は鍼灸と併用し徐々に減量

最終的には脱ステロイドを目指す

但し、受験生や就職活動中などは無理に止めない方が良い

生活や社会的な背景を見極めたうえでの判断が必要

皮膚の発赤

青いバラ(可児バラ園)

70才の女性で1週間前から右の乳房全体が真っ赤になっていた
本人は私に相談する
皮膚科に行ったほうがいいでしょうか?
私は言った、鍼治療で早く治りますよ・・と
患者さんは喜ぶ、あちこち病院に行かなくてもいいので
私の家庭医ができたようで嬉しいと・・

問診すると、発病の5日前から風邪をひき発熱、4日間寝込んだ
内科から総合感冒薬や、解熱剤などを処方されていた
熱は下がって、風邪は治ったかに見えたが
風邪薬を飲み続けていたので
内熱をこもらせてしまったのが原因である

薬を止めていただき
2回の鍼治療であれだけ赤かった乳房の発赤はきれいに治った
れい兌という足の指先のツボに刺絡(しらく)という
ごく少量の血を出す処置をしただけである
患者さんにはとても喜ばれ感謝された

東洋医学は常に病の根本的な原因を探って、処置をするので
驚くような効果を見せることも珍しくない
またひとり患者さんを救うことができ
この医学を学んでいて良かったと思う瞬間である

鑱鍼(ざんしん)を用いたアトピー性皮膚炎の治療

【鑱鍼(ざんしん)を用いたアトピー性皮膚炎の治療】

アトピー性皮膚炎の治療は当院では鍼灸治療単独で治療効果を得ています。
ほとんどのアトピーの患者さんは「湿熱」という熱を内に篭もらせている場合が多く、
「清熱・解毒」の処置を鍼治療で加えると、ステロイドを用いなくても改善していきます。
また、最近は「鑱鍼(ざんしん)」という純銀製の古代鍼を使って、さらに皮膚の表層の熱を取ることができるようになりました。
この「鑱鍼(ざんしん)」の効果には目を見張るものがあって、カサカサした皮膚も潤ってきます。

アトピー性皮膚炎の症例

数年前から定期的に治療にみえる患者さま、もともとアトピー体質ですが、
突然、眼の周りが真っ赤になり腫れて泣きそうな顔で来院。
結婚式を控えているので何とかして欲しい!!と祈るような表情です。
中医学では、脈診と腹診により、肝鬱化火による眼の周囲の腫れと発赤とみて
5番鍼(少し太いです)で右合谷、右照海で10分置鍼。百会から刺絡
これで脈が緩んだので、いける感触があり。
うつ伏せで清熱解毒の処置、霊台、督兪に10分置鍼
治療後はかなり赤みや腫れが軽減しました。
きっかけは、新しい化粧品を使ったことと、仕事が多忙でストレスが溜まったためのようでした。

写真は上から順に1)治療前 2)治療直後 3)2日後

2回の治療でほぼきれいになりました。

化粧品については、全て持参していただき、Oリングテストで判定しました。
やはり、新しい化粧品のほとんどがマイナス反応になりました(アレルゲンということです)