透析患者さんへの鍼治療

50代♀

腎不全による人工透析を始めてから

透析を受けた日に、頭痛・身体のだるさ・吐き気・食欲低下を感じ始める

血液検査は肝機能・腎機能の低下、血糖値・血小板・赤血球数等々

15項目で異常値を示していた

腎陰虚症・肝気上逆と診たて鍼治療開始

7回(3週間)の治療で驚くことなかれ

全ての血液検査が正常値に戻ったのだ

自覚症状も緩和

弁証が正しければたった一本の鍼で

西洋医学的な検査数値も良くなるという症例である

小児のアレルギー性鼻炎

5才♀

慢性的な鼻炎による鼻づまり

望診すると右外鼻道の奥に発赤腫脹が認められた

足が冷え百会に熱

肺気不宣・気逆と診たて

しん会から刺絡

直後に鼻腔の発赤は消失し右の鼻の通りが良くなる

お子さんの慢性鼻炎に鍼灸はとても有効

人に優しい鍼灸医療

(公益社団)日本鍼灸師会の学術講演会60周年記念公演

関 隆志先生(東北大学大学院 先進漢方治療医学講座講師 医学博士)

御自分のクリニックで鍼灸と漢方をされてる医師です。以下はの講演の要約です

「私の原点。それは、医療は”あきない”だということです。患者さんを大切にしない医

療というのは成り立ちません」

「家の中にツララができている!?なんてこと・・・病院の診察室ではわかりっこな

い。患者さんが真ん中の医療とはそういうことです」

「鍼灸はまぜ人に優しいのか。ココロとカラダにふれあう鍼灸は、人と人をつないでくれ

る医療。だからこそ、人に優しいんだと思うのです」

「医学全体が統合医療に向かっているのは間違いありません。目的は勿論、患者さんの”

全体”を診るためです」

「鍼灸医療を活用した統合医療が日本にないのはおかしい。今こそ新しい日本の医療のモ

デルを、鍼灸を使うことによって提言できるのではないか」

こういった発言をされる医師が最近増えてきているのを実感する

西洋医学に偏った今迄の医療から、新しい医療の時代の潮流を感じる講演だった。

空間診によるジストニア治療

30代♀

頚部ジストニアによる頸の不随意運動

発症後4カ月経過

他院にて鍼灸マッサージ治療を受け悪化し来院

空間弁証にて「左上の気の偏在」

右天枢・右腎兪に蓮風鍼3番で10分置鍼

初診の治療後に症状緩解

難治性のこの疾患であるが、極めて経過は良好

ジストニアの空間論による症例が増えてきた

慢性副鼻腔炎

60代♂

幼少時からの慢性的な左上顎洞の副鼻腔炎による鼻づまり

左外関に置鍼

しん会より刺絡

翌日より4日間左鼻から緑色の鼻汁が出続けて

5日目に鼻づまりが治癒

慢性副鼻腔炎も時として驚くような効果を示す

シンポジウム

昨日はスタッフ4人と友人3人で「北辰会臨床コース」の研修会に参加した

特別シンポジウム

「鍼灸医学は如何にあるべきか」~ドクターからみた鍼と将来の展望~

4名の若きドクターがシンポジストで座長が藤本蓮風先生

3時間の非常に有意義な内容だった

北辰会の会員には最近若い(20~30代)ドクターが増えており

鍼灸師と共に東洋医学の真髄を学んでいる

入会のきっかけは全ての医師が藤本蓮風先生の治療を受けて

西洋医学の治療にない”衝撃を受けた”ことが共通する

ジェネラリスト(総合診療家)としての患者さんに寄り添う

総合診療医師と同次元で評価されるよう

「北辰会方式」の伝統中医学理論に基づく、高度な鍼治療家が求められている