リウマチ性多発筋痛症経過良好

60代女性

昨年11月頃から頚肩のこわばり出現

近くの内科受診後藤田保大を紹介され

リウマチ性多発筋痛症(PMR)で40日入院

入院中から手指のこわばり、腫れ出現

股関節痛・下肢痛・膝関節痛が続発

CRPは23.8と高値

プレドニゾロン5㎎×3錠/日

カロナール3錠/日

退院後当院受診

弁証は痺病・気滞血瘀

3回の処置で車の運転が可能になり

9診目ほとんどの症状は消失

内服薬はすべて中止

藤田保大の主治医は短期間の主訴の変化に大変驚いていた

西洋医学的にはこれほどの短期間で痛みと関節硬縮が消失し

プレドニゾロンも中止している症例は経験したことがない様子

最近この疾患がとても多くすべての症例で鍼灸治療は有効・著効を示し

減薬→断薬できている

リウマチ性多発筋痛症の治療の第一選択は鍼灸治療であると断言できる

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名大病院にも鍼灸外来を

先月の名大統合医療研究会

鈴鹿医療科学大学教授 佐々木和郎先生がオブザーバーで参加された

佐々木先生は三重大学附属病院麻酔科で

統合医療鍼灸外来を立ち上げた功労者

名大病院総合診療科医師との統合医療研究チームは

立ち上げて4年目に入り一部の患者さんで臨床が始まっている

理想は名大病院内で鍼灸外来ができることだと考えている

佐々木先生も名古屋大学病院でも三重大学に習った

統合医療鍼灸外来を創りたいと熱く語られていた

実現すれば愛知県内に於いて

鍼灸の社会的な評価に与える影響は極めて大きい

いつの日か実現することを願っている

三重大学病院麻酔科総合診療科鍼灸外来のHP

[http://www.hosp.mie-u.ac.jp/section/shinryo/masui_shinkyu/

置鍼時間の考察

当院では少数鍼で治療する場合

置鍼といって鍼を打って暫くそのままにして一定時間置鍼することがほとんど

この置鍼によって気血津液が巡り身体のバランスと整えることができる

置鍼時間については初診時の基本は10分間

2診目以降で時間を調整する

最短は3分間~最長は30分間

時間の基準は治療後の脈診、舌診で良い変化が認められ

自覚症状の軽減ないし消失が認められる

この境界線の置鍼時間を患者さんによって変えていく

同じ患者さんでも治療日によって変えていく

殆どの患者さんは10分~20分程度でよい変化がみられるが

稀に10分の置鍼が過剰刺激となって一時的にだるくなったり眠くなったり

治療効果が認められない患者さんには3分~7分程度に短くすることで

より効果が得られることもある

置鍼せずに接触するだけの治療や

軽く切皮程度に鍼を打ちすぐ抜くといった手法も効果的な場合もある

非常に過敏な患者さんや小児には古代鍼を皮膚に当てずに”翳す”だけで

気を動かすこともできる

治療法のバリエーションの豊かさは鍼治療の醍醐味といえる

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全科を診る鍼灸師

一日100人の患者さんを診させていただておると

西洋医学の総合病院でいえば

外科以外のあらゆる診療科の患者さんとお会いすることの毎日だ

血液内科・循環器内科・消化器内科・呼吸器内科・腎臓内科・心療内科

神経内科・老年内科・小児科・リウマチ科・産婦人科・婦人科・整形外科

心療内科・泌尿器科・老年内科・耳鼻咽喉科・歯科・皮膚科・眼科・・・等々

西洋医学で分類すると上記の疾患すべてを診ている

東洋医学では一人の患者さんまるごと全て心身一如として捉えるので

あらゆる疾患を診ることになる

ということは西洋医学的な幅広い知識も必要となるので

軸足は東洋医学においていても、常に西洋医学の勉強は欠かせない

2月の日曜日は学会、研修会がないので医学書の勉強の時間にしたいと思っている

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インフルエンザが増えてきました

日本国内ではこの1週間でインフルエンザ患者が100万人増加したそうだ

最近はイナビルを1回吸入すると高熱が早く下がるようであるが

その後解熱消炎鎮痛剤などを内服していると

内熱をこもらせて長引くことがある

5日間は外出禁止令となっているが

解熱後に早期に鍼治療をすることで早期治癒が期待できる

勿論普通の風邪は鍼灸の得意疾患であることは

通院患者さんはよく知っている

舟状骨疲労骨折の鑑別診断

スポーツなどで、繰り返しの負荷がかかり続けることにより骨折を起こすのが疲労骨折

中高生やスポーツ選手に起こることが大半で

第五中足骨(Jones骨折)と舟状骨の疲労骨折は

難治性で手術が必要になることが多いので注意が必要

サッカーやバスケットボール、陸上などで多い

症状:初期は運動時や運動後に痛む程度

進行すると日常生活でも痛むようになり

骨折部の腫れを伴うこともあるが

激しい痛みや腫れを伴わないので

足関節を焦点とした評価で看過されるケースもある

診断:「舟状骨疲労骨折」では荷重時に足背近位部での不快感、疼痛を訴える

   前脛骨筋と長母指伸筋腱との間に圧痛を認める
   
   レントゲンで骨折線が認められないことが多く、MRIやCT検査が必要となる

治療:舟状骨の疲労骨折は難治性で早期スポーツ復帰のためには手術が第一選択となる

鍼灸師がよく遭遇する疾患でもあるので

正しい鑑別診断と整形外科との医療連携が必要である

頭位変換めまい症にEpley法

頭位変換めまい症は中高年にとても多い疾患

良性発作性頭位めまい症ともいう

内耳の三半規管の平衡砂のかけらが三半規管内を浮遊することで発症し

雲の上を歩いているような浮遊感や

一定方向に頭を動かすことによって悪化するのが特徴

鍼治療で殆ど治るが、時に難治性の症例に遭遇したときは

Epley法という手技療法によって劇的に改善する

鍼灸師会の研修会で医師からご教示いただき

スタッフ相手に練習してから

数例の患者さんに施術したところ

頭位変換めまい症の診断が間違いなければ

1~2回の施術でほぼ100%の治癒率

先日も2年間治らなかっためまいが1回のEpley法で治癒した

今後も追試する価値のある治療法だ

エニアグラムの結果

院内で実施した性格行動分析テスト「エニアグラム」の結果発表

院長は

【タイプ3】達成する人

スタッフは

【タイプ8】挑戦する人が1名

【タイプ2】助ける人が1名

【タイプ9】平和を好む人が4名

リスクや挑戦を恐れない院長が

平和を好む穏やかなスタッフに支えられているという

バランスの良い人間関係ができていることが客観的にも証明され

この心理テストの信頼性が確認できた

第5回スポーツ障害講習会

明日は(一社)愛知県鍼灸師会主催

第5回スポーツ障害講習会

第1部 「アスリートコンディショニングの実際」

講師 佐藤丈能先生(T.S Serve Trainer Team代表)志學館大学

第2部 「足部アーチと脛骨疲労性骨膜炎に対してのテーピング」

講師 佐藤丈能先生

第3部 「臨床検査の解説」

講師 服部純一先生 (臨床検査技師)

第4部 「スポーツ障害に対する頭鍼療法」

講師 田中 法一先生(セントラル田中鍼灸院院長)

会場 名古屋医健スポーツ専門学校

明日は主催者としての運営に多忙な一日

様々な患者さん

「痛みがが治ったらもう来なくてもいいんですよ」と患者さんに伝えたら

自分にとって”桃源郷の治療院”なのに冷たい言葉を言われたと落胆された様子(笑)

鍼治療を受け癒され、居心地が良い空間なのか、治療家にとって嬉しいお言葉でもある

病を治すために、未病を治すために、心を癒すために

鍼灸院の存在意義があると改めて感じた