月と内経気象学

月の満ち欠けにより人の気血は盛衰するという考え方は

西洋にも古くからあった

2300年前の東洋医学の最古の医学≪書黄帝内経・素問・霊枢≫

での月と身体の相関関係を築いた内容はおそらく世界最古のものであろう

一見迷信のように考えられがちであるが書籍「月の魔力」などにより

月と身体の密接な関係が少しずつ明らかにされつつある

月の位相関係により気血が影響を受けるというのは

内経気象学の重要な一分野であるので今後連続して解説したい

鍼狂人の独り言

藤本蓮風先生は尊敬する師匠であり、私の健康管理の主治医でもある

ブログ”鍼狂人の独り言”はライブドアのブログランキング「医療」部門で

トップを独走中である

毎日素晴らしい写真と共につづられる洗練された言葉

芸術的ともいえる表現で語られる深遠なる東洋医学の世界

毎朝仕事を始める前の儀式として拝見している

東洋医学を正しく広めることを目的として立ち上げたこのブログの魅力は

陳腐な私のボキャブラリーでは表現できないので

是非とも覗いてみてください

http://blog.livedoor.jp/fujimoto1005/

大腸癌手術後の下肢の冷え

大腸癌手術後の下肢の冷え

60代♂

3年前の大腸癌開腹手術後より右下腿の冷えを強く感じる

Ope痕は臍から右に10cm横に横断

右肝腎経絡の不通と診たて

右大巨・右脾兪に鍼を置く

2日後再診で3年間続いた冷えは緩解

開腹手術の際に横にメスを入れることがあるが

筋肉を切断し、気の流れる通り道の”経絡”も切断される

よって手術は成功しても術後の後遺症が現われる事が多い

多くは下焦(下半身)の異常である

経絡の気の巡りが妨げられるので”気滞”が生じるのである

上熱下寒

上熱下寒とは

16日の夕方から寒気が入って気温が下がっている

春陽の亢進するこの季節に寒気が入ると

下焦(下半身)が冷え

相対的に上焦(上半身)に熱が昇る

これが上熱下寒の状態

舌尖が赤くなり、頭頂部の「百会」に熱を感じ、足関節から下は冷えている

血圧上昇、眩暈、耳鳴り、頭痛、不正出血、等々の症状が増えてくる

治法は 補腎・清熱瀉火が中心となる

足を冷やさないようにぬるめのお湯の腰湯でゆっくり温めること

イライラしないことが肝要である

第3回研修会

(社)愛知県鍼灸専門師会が発足して3回目の研修会が昨日名大の鶴友会館で開催された

演題は

1・機能解剖学的診断に基づく鍼灸臨床
  講師:山田 鑑照先生(鍼灸学博士)

2・眼科領域に専門化した鍼治療に何ができるのか
  講師:春日井 真里先生

参加者は若い先生が多いのが特徴で

今迄所属していた団体に比べると

会員数に比べて参加者が多い

真摯に鍼灸医学を勉強したいと考える若い鍼灸師の熱意を感じた

誕生して数カ月の鍼灸専門師会であるが

愛知県の若手鍼灸師を中心に

着実に根を下ろし始めている

鍼灸学会中止

(社)全日本鍼灸学会の全国大会の中止が決定した

今年は茨城県のつくば市の国際会議場で開催予定だったが

今回の大震災の影響で中止が決まった

今年で60回になる記念の学術大会であった

準備に奔走された開催県の関係者にとっては苦渋の決断であったと思われる

二千人を優に超える参加者、数百の症例報告、パネルディスカッション、基調講演等々

毎年スタッフ全員で参加し鍼灸医学を幅広く勉強する良い機会で楽しみにしていた

茨城県も大きな余震が続き、原発の動向も予断を許さない状況ではやむをえまい

失声症

失声症の症例

30代♀

6年前強いストレスがきっかけで言葉がでなくなる

大学病院で「失声症」とし診断される

治療法はなく突然声がでなくなったり、でたりを繰り返す

2週間前から全く声がでなくなる

弁証は「肝鬱気滞」

治法は「疏肝理氣」

使用経穴は「後谿」「腎兪」

2回の治療で発声できるようになり

今日は嬉しくて朝からカラオケで3時間歌い続けた!

この疾患は再発を繰り返すので、予防が大切

心理面でのケアと、気の巡りを良くする治療が再発予防になる

妊娠中の鍼治療

妊娠中の鍼治療

妊娠中の女性への鍼治療は副作用もなく、安全でほぼ全科に対する治療が可能である

特に妊娠初期にはつわりや食欲不振等の不定愁訴の緩和、切迫流産の予防

安定期には、腰痛や逆子等の治療

臨月には安産に向けての治療

その他妊娠中のマイナートラブルで薬物が使えないケースで

鍼灸治療で細やかなケアができるのである

当院では常に複数の妊婦さんの治療をしており

産後も赤ちゃんの治療や、育児疲れのケアなどを求められる

産婦人科では鍼灸師を常駐させているところも増えてきているが

産婦人科のDrには、妊婦さんへの鍼灸治療の安全性と有効性をもっと知っていただければと願っている

厚労省の漢方・鍼灸の積極的活用を通じた「新しい日本型の医療」創生の研究のなかでは

http://kampo.tr-networks.org/sr2009/

医学部の学生に漢方や鍼灸を授業で取り入れることが検討されているので

実現すれば、鍼灸への理解を示し医療に取り入れるDrが増え

日本の西洋医学中心の医療が変わっていくかもしれない

逆子著効

逆子が1回の治療で治癒

35才♀

妊娠28週で骨盤位(逆子)の診断、逆子体操するも変化なし

32週で来院、羊水も充分、子宮骨盤の状態も良好

三陰交に10分置鍼、左右の至陰(足の小趾外側爪甲根部)にお灸を五壮すえる

翌日の検診で正常位に戻っていることが確認される

28週~32週の治癒率は80%なので

逆子の診断を受けたらお早目の受診をお勧めします

http://wwwn-acp.com

小児の突発性難聴

突発性難聴の多くは耳鼻科で原因不明と言われる

8才♀

2か月前に中耳炎を発症してから

右耳がほとんど聞こえなくなる

耳鼻科受診し中程度の難聴で治療法はないと言われた

2カ月経過しても右耳の聴力は戻らない

祖母の紹介で来院

右聴力は耳の近くで指を鳴らしても全く聞こえない

右三焦経の経絡不通と診たて

右関衝(右薬指の爪甲根部外側)に小児用の刺絡鍼で刺絡をする

三日後に再診右耳の聴力は著明に改善

右耳のそばで指を擦る音でも聞こえるようになった

突発性難聴は早期の鍼治療であれば

驚くような効果を発揮する