日本鍼灸師会

私が常任理事を務める(社)愛知県鍼灸専門師会は

(公益社団法人)日本鍼灸師会という全国組織の愛知県内唯一の承認団体である

日本鍼灸師会は鍼灸師の資質向上

保険取り扱いの円滑な運営のための厚労省との折衝

各種勉強会の開催

鍼灸師の責任賠償保険など福利厚生の活動など

活動は多岐にわたり

現在数万人と言われる鍼灸師のためになくてはならない存在

しかし、会員は8,000人程度と組織率は極めて低い

医師会に例えると

愛知県鍼灸専門師会が愛知県医師会

日本鍼灸師会が日本医師会といったら解り易いか

国民皆保険のわが国では保険医は必ず所属する団体である

一方日本鍼灸師会に対する鍼灸師の理解は一部で

年会費12,000円という安い会費にも拘らず

”入会のメリット”を求め、入会を渋る鍼灸師が多い

保険治療をしている鍼灸師がすべてではないという事情があるにせよ

開業鍼灸師が日本鍼灸師会を支えていかねば

鍼灸師の将来は非常に不安定で見通不透明になる

一匹狼の開業鍼灸師が一人でも多く所属し会員を増やすことが

厚労省への発言力を高める事に繋がることを理解してほしい

妊娠しました!

不妊症の症例

28才♀

婦人科で排卵誘発剤を内服、人工授精2回するが

結婚後3年間一度も妊娠せず

夫は検査で異常認めず

四診合参により”腎虚””気滞血お”と弁証

補腎と疏肝利気、駆お血の処置を始め11回目

2カ月後に産婦人科で妊娠5週目と言われ治療終了する

不妊治療は御夫婦での受診が理想的

西洋医学の検査で異常が認められなくても

男性のアンバランスを整える治療を平行することが

早期妊娠に繋がることを多く経験している

Hさん妊娠おめでとうございます!

出産予定日まで養生してくださいね

今年の花粉症対策

今朝の中日新聞「健康と医療」のページに

早くも花粉症の記事が掲載された

環境省によると今年の東日本の飛散量は

大量だった昨年と比べ20~40%と

大きく減少するという予測

しかし油断は禁物

東洋医学による花粉症の原因、分類、治療、効果については

このブログの「花粉症」を見ていただくと

詳しく解説してあるので参考にしていただき

今から花粉症対策をしていただきたい

薬効たっぷりの春の七草

七草がゆに用いられる野草には、

無病息災を願う人々の思いがかなうような薬効がたっぷり含まれている

せりは数少ない日本原産の緑黄色野菜で、セリ科の多年草

精気を養い血脈を整え、保温効果や高血圧予防に優れている

なずなは別名ぺんぺん草と呼ばれるアブラナ科の二年草

カルシウムやカロテンが豊富で風邪の予防に優れている

ごぎょうは母子草(ははこぐさ)の別名でキク科の二年草

咳・痰に効果がある

はこべらははこべのことでナデシコ科の二年草

昔から腹痛薬とされ、産後の浄血に用いられる

ほとけのざはキク科の二年草

整腸作用がある

すずなはかぶのことでアブラナ科の一・二年草

葉はカロテンやビタミンCの多い緑黄色野菜

腹痛薬としても使われる

すずしろは大根のことでアブラナ科の一・二年草

風邪予防や美肌効果に優れている

新年の7日に野草でつくったおかゆを食べる

野に自生し、新しい年に芽吹く若菜を食べることは

野菜不足を補うと同時にお正月のごちそうで疲れた胃腸を休めるのに最適

七草はいずれも秋に発芽し、ちょうどお正月頃に若菜になる身近な野草

胃腸を整え、体を温め、粘膜を強化する効能にも優れているのが共通した特徴である

小寒

今日は二四節気の”小寒”

陰暦で12月の節で、この日から寒に入り

寒さも本格的になる日である

小寒から節分までを”寒の内”という

正に寒さ本番を感じさせる低温が続いている

二四節気の内小寒から大寒(一月21日)は

現在の日本の気候とも一致している

≪黄帝内経・素問≫

四気彫神大論篇 第二

第一章 第四節

寒邪に犯されて病まないように

寒さを避けて衣服室内を暖かくする

激しい運動などをして汗をかき

陽気が抜け出すようなことをしてはならない

と古典に記述がある通り、冬の養生を心がけたい

メニエル病

メニエル病(メヌエル氏病・メニエール病等の呼称がある)

西洋医学的には

内耳の内リンパ水腫が病態である

内耳には音を聞く蝸牛と体の平衡に関係する前庭半規管がある

蝸牛はかたつむりのように管が渦巻いた構造をしており

その中にリンパ液が入っている

このリンパ液が増えた状態を、内リンパ水腫(水ぶくれの状態)といい

それが前庭半規管にも影響してめまいが起こるのがメニエル病

内リンパ水腫の原因は西洋医学では良くわかっていない

再発を繰り消すことが多いが発症の予測も西洋医学では不可能

東洋医学では

発作の起きた急性期には自宅で安静にしていると

ほとんどは数時間で酷いめまいや嘔吐は治まるので

症状が落ち着いてからの来院がお勧めです

中医学による眩暈の分類は以下の通りです。

実証 肝陽化風(ストレスや怒りによって発症しやすい)
   
   痰濁中阻(飲食の不摂生が原因となることが多い)

虚症 陰虚陽亢(陰虚による虚熱が上亢しておきる)
   
   中気不足(胃腸の虚弱の体質や過労が原因)
   
   心脾両虚(過度の過労や出血のために心脾が虚損して上部の栄養障害によっておきる)
   
   腎精不足(老化による腎気の虚弱で髄が満たされないために発症)

メニエル病でもこれだけの分類をし治療法(経穴や刺激量(補瀉))も

証によって変わり、養生法もそれぞれ個別にアドバイスするとことが

原因不明の西洋医学との大きな違いです

年末のこの時期は食べ過ぎ飲みすぎと、多忙によるストレスに注意することです

蓮風の玉手箱

師匠の藤本蓮風先生と各界有識者との対談

「蓮風の玉手箱」が好評なので改めてご紹介したい

産経新聞関西の電子版に毎週週末に更新されている

3人目のお相手は

九州大学大学院医学研究院(麻酔・蘇生学分野)の外須美夫教授

西洋医学と東洋医学の大きな違いや

東洋医学のとても深い世界を知ることができます

http://www.sankei-kansai.com/cat541/

冬至と陰陽

今年の冬至は12月22日

北半球において太陽の位置が1年で最も低くなる日で

太陽の出る時間が一年で最も短くなり

次の日からは徐々に長くなる

”陰極まって陽に転じる時期である”

古代は日時計によって天地の陰陽の動きを観察していた

夜は月の満ち欠けによって海水の高さが違うことを知った

農耕民族の発想があって「陰陽の法則」が生まれたのである

内弟子採用

藤本蓮風先生の漢祥院の内弟子に

ウチの勉強会のメンバーが採用された

3年間住み込み蓮風先生の臨床をみっちり勉強できる

またとない機会を見事に射止めた、あっぱれである

私が見込んで蓮風先生に推薦した好青年

3年間の修業を全うした暁には

病める人を救える技と知識と人望を備えた

一人前の臨床家に成長することを確信している

口唇癌Ope後顔面神経麻痺の症例

60代♀

右口唇癌の摘出で口角や舌の右を切除した後に

左の顔面神経麻痺を発症した

左右の気の偏りを整える鍼を続けた結果

舌の状態は著しく改善

顔面神経麻痺は治癒

執刀医は診察のたびに麻痺が改善して顔の歪みの改善に驚かれるという

上の写真は一枚目は初診時

2枚目は1年経過後の写真

Ope痕は形成外科での処置が予定されているが

舌は真っすぐ出て形状も整い、麻痺は治癒している