統合失調症経過

20代♀

その後の経過は

週に一度の治療を続けて

数種類あった薬は減り

統合失調症への治療薬が1種一日1錠のみになった

幸せな結婚を経て妊娠が確認された模様

発症当初、医師から「薬は一生飲み続けなければならないので、妊娠も難しい」

と心ないことを言われたのだ

大丈夫、薬は止められる、鍼でサポートしているから

三叉神経痛著効

80代♀

数年前から右三叉神経痛発症

あまりの痛みに入れ歯が入れられず

流動食のみであったが

数回の治療で一日3回の抗けいれん剤の内服を

頓服程度に減量しても激痛がほとんど緩解し

入れ歯が入るようになった

空間診による右上前の気の偏在と診たて

百会右 補腎で右腎兪に鍼をした結果である

慢性関節リウマチの治療

かれこれ10数年往診に伺っている慢性関節リウマチの患者さん

寝たきりではなく、日常生活動作はベッド周囲で何でもできる

初診時は冬になると全身の関節の痛みや下肢の強い冷えを訴えていたが

今年の強い寒波のさなかでも、体調は良好

東洋医学でいう”補腎”の治療を続けている

関元への施灸と、湧泉の軽い指圧(鍼ができないところなので)

布団の中で冷えを感じないので、腎気が高まり、陰陽のバランスが整ったと考えられる症例

頚部ジストニア治癒

30代♂

5年前より左頚部ジストニア発症

ボツリヌス菌注射をするも一時的に改善するが治らない

鍼治療を根気よく続けて5年

長年内服してきたアーテン内服を中止しても悪化なし

現在は再発予防で月に一度の治療を継続中

極めて経過は良好である

今年のスギ花粉

環境省は27日今年の花粉飛散量の予測を発表した

スギ花粉の飛散時期は例年より遅く

東海地方では2月中旬~3月中旬

飛散量は非常に多かった昨年より少なく

例年並みかやや少なめとなる見込みとのこと

1月の低温が続いているため開花が遅くなりそうだ

しかし、アレルギー性鼻炎の患者さんはこの時期から

確実に増えており、肝鬱(ストレスを強く受けている状態)

の方は特に注意が必要で、結膜炎まで至るケースが少なくない

鍼灸で十分対応できるので、薬だけに頼らずに試してほしい

超旋刺

非常に細い鍼(1番~01番)を用いて

経穴に切皮し(一mm程度)左回転で

一分間に数百回の高速回旋するという治療を

”超旋刺”という

愛知県鍼灸専門師会の研修会で理論と実技の講演があり

最近試験的に臨床に取り入れている

診断の基本は中医学での弁証は勿論、

そこに”空間診”による少数鍼の成果はすでに報告した通り素晴らしい

しかし、最後にとりきれない軽度の痛みが残る場合に

”超旋刺”を補助的に使うと、上手くいくことを経験してきた

追試を重ねているが、非常に軽微な刺激なので患者さんの体の負担はなく

北辰会方式を逸脱するものでもないので、

あくまで補助的な処置としてではあるが

確かに有効な手技で、さらに発展する可能性がある

頚肩こりの弁証

頚肩こりは初診患者さんの30%に見られるありふれた症状

しかし、原因は多岐にわたるので

きちんと治すためには東洋医学的弁証論治が必要だ

【西洋医学による原因】

1・姿勢の不良

2・頚椎の異常(変形・アライメントの異常)

3・頚椎椎間板ヘルニア

4・肩関節疾患に随伴するもの

5・顎関節症やかみ合わせの不良・歯列の乱れによるもの

【東洋医学による原因】

1・気滞(気の滞り)

2・お血(血の滞り)

3・肝陽上亢(陽気の亢進)

4・肝鬱化火(怒り等の感情の高ぶること)

5・肝火上炎(気が強く上に突き上げ熱化すること)

6・腎陰虚による陰虚陽亢(顔のほてり等も伴う)

7・血虚(血の不足)

8・気血両虚(気と血の不足)

9・湿痰(水の停滞)

10・空間論による気の偏在

ざっと挙げるだけでこれだけ分類されるので

初診時には肩こりと言えども詳細な問診が必要不可欠だ

筋の緊張を緩める治療でもある程度良くなるが

慢性疾患を根治するためには弁証が絶対必要である

また、随伴症を伴って肩こりがある場合には

一般的な局所治療だけでは、鍼の数が増えていくだけで

医療とはいえなくなる

たかが肩こりであっても、医療として鍼灸治療を行うか否かで

技量の差が如実に出るのである

ただの”慰安ハリ”でなく、あくまで”医療”として

治療を考えているかが大切だ

大寒とフキノトウ

今日は二四節気の”大寒”

一年で最も寒い時期

日本の南を次々と前線が通過してこの地方は冷たい雨になったが

内陸部では雪が降り続いている

冬至を過ぎてからは風が弱く天気の良い日は

太陽の陽気が高まっていることを実感する

気温は低くても日中は暖かさを感じる

季節は確かに春に向かっている

フキノトウが芽吹くのもこの季節

フキノトウの苦味は降気作用を持っている

つまり、老廃物を降ろして、下から排泄する作用がある

冬眠から覚めたクマが真っ先に食べるのがフキノトウと言われている

これは、冬眠中に溜まった便を排泄する効能があるからである

立春に向けて陽気が高まっていくこれからの季節には最適な食材だ

股関節痛に対する空間的処置

60代♂

30年目から左股関節痛で胡坐をかけない

左パトリックテスト陽性

気滞とお血所見以外の臓腑の失調は認められないので

空間弁証をする

左(患側)帯脈に著明な緊張(邪)を認める

30mm3番鍼を左帯脈に横刺で10分間置鍼する

直後に左パトリックテストは(-)

驚くことに即座に胡坐をかけるようになり

患者さんも大変驚き、喜ぶことしきり

他にも今日の外来患者さんで多数の症例を得た

臨床が面白くとても充実した一日だった

帯脈の臨床

昨日はスタッフ3人と大阪で北辰会の臨床コースの定例会があって参加した

午前は2時間体表観察の手技の復習

主に腹診・背候診のフェザータッチや

望診のトレーニングで診断基準を再確認した

東洋医学は検査数字に頼らない”匠の技の診察”なので

常に自分たちの診察法が標準的で正しいのかを確認する必要がある

触診の仕方も極めてソフトなフェザー(羽毛)で皮膚を撫でるような触れかたが基本だ

午後は藤本蓮風先生の臨床報告

空間論として”帯脈”を如何に臨床に使うかを解説され

筋委縮性側索硬化症の患者に帯脈穴を用いて著効を得た症例など

非常に面白く興奮する内容だった

体を地球に例えると

地軸は衝脈という体の中心を貫く経絡

帯脈は赤道にあたり体の上下を分かち

前後左右を繋げる重要な穴処である

ゆえに難病治療で縦の一二経絡で上手くいかない場合に

帯脈を上手く動かすと驚くような効果を示すことが示された

今日早速患者さんに使ったが、確かに面白く速効的な効果を得られた

空間論は現在、私の研究テーマなので

毎日の臨床現場で使いながら

さらに技術を高めることができると確信している