古代鍼

今夜は院内勉強会

在宅往診中の患者さんのカンファレンスを11件

日頃往診スタッフに任せっきりの見えない患者の状況報告を受けた

後半は金と銀の古代鍼の違いを実技を交えて皆で体感した

ブラインドテストで

金の古代鍼は翳すだけで暖かくなり

銀の古代鍼は翳すだけで冷えを感じる

温補法と清熱瀉法が自由自在に操れることを実感し

その鮮やかな変化に皆が驚き

臨床への生かし方を再検討した

http://www.n-acp,com

百会

SD(痙攣性発声障害)や機能性発声障害で

多くは百会(督脈)を使うと経過がよい

陽気が昇る病症で反応がよく出る経穴なので

上手く使うと気を下に引き降ろす作用が働き

発声しやすくなる

梅核気のように喉の周辺の気滞にも良く効く

適応を見極める感覚と経験が必要な経穴だ

http:www.n-acp.com

小暑

今日は二四節気の”小暑”

この日から暑気に入り、暑中見舞いも出されるようになり

暑さは日増しに加わってくる

しかし梅雨前線は南に下がっており

梅雨明けはまだまだ先のようだ

蓮の花が咲き始め、鷹の子が巣立ちの準備を始める

不眠症の症例

50代♀

子供のころから寝つきが悪く

2年前から入眠障害、寝ても途中覚醒し以後眠れないので

不眠外来を受診しメイラックス・レスミンを処方される

メイラックス内服である程度眠れるが眠りが浅い

脈診:浮緊細

舌診:淡紅色・微黄苔・舌尖紅・舌下静脈怒張

体表所見:百会の熱・肝の相火に邪・巨闕兪に圧痛・上焦の熱

弁証:肝鬱化火・òU血症

治法:疏肝理気・寫火を目的に蓮風鍼3番で左太衝に10分置鍼

経過:治療した夜から2日間良く眠れたので

   3日目の夜はメイラックス内服しなかったが朝まで良く眠れた

脈も緩み・舌尖の紅は消失、経過は極めて良好

不眠症は鍼灸治療が奏功するので

お薬を減量ややめたいと思っている方はお試しください

腰椎椎間板ヘルニアの症例

40代♂

1年前から歩行により腰痛、右下肢痛発症

MRI検査で腰椎椎間板ヘルニアの診断

PLDDの手術を勧められるが断り

以後症状は悪化

腰椎前屈(++)後屈(++)

15分以上歩けない、立位が5分で痛みが増悪

脈診:中位で滑脈

舌診:淡泊・歯根・舌下静脈怒張

空間診:右中焦から下焦の気の偏在

処置:右天井(少陽三焦経)に3番蓮風鍼で10分間置鍼

効果判定:直後に運動痛消失

歩行痛の効果判定は後日に確認する必要があるが

とりあえず痛みは全く感じないので治療を終えた

空間診による腰椎椎間板ヘルニアの治療は時に驚くような効果を見せる

病の4大原因

様々な病を診てきて感じること

現代人の病の原因の多くは

1・食べ過ぎ飲みすぎ(飲食不摂生)

2・要らぬことを思慮し過ぎ

3・運動不足

4・働き過ぎによる疲労

これをサプリメントで補おうとすることに無理がある

と師匠の藤本蓮風先生も言われている

鍼狂人の独り言

[http://blog.livedoor.jp/fujimoto1005/]

急な激しい頭痛

30代♀

昨日朝より前額部と左後頚部に強い頭痛発症

水を飲んでも嘔吐するので何も食べられない

待合室でしゃがみこみ気色が全体に抜けている

翌日に飛行機に搭乗予定

要点を手短に問診し、体表観察中心に弁証

脈診:浮・こう脈

舌診:淡泊舌・白苔・胖大

舌腹:暗紅色・お班・舌下静脈怒張

弁証:上実下虚・お血・右上気の偏在

治法:駆お血・瀉火

治療後に気色は戻り頭痛は消失した

今日の再診時にはすっかり良くなり、元気にお帰りになった

激しい頭痛は如何に短時間に正確に診たてるかがポイント

勿論重篤疾患も隠れているので鑑別しながら

適応症ならば的確な処置をすることで苦痛から解放される

宇宙科学と鍼灸

6月10日開催の「第61回全日本鍼灸学会」において、

「宇宙科学の視点からの鍼灸医療の可能性を探査する」と題して、

明治国際医療大学の今井賢治教授と岩昌宏准教授を座長に、

内閣府の田中一成参事官、明治国際医療大学の伊藤和憲准教授、

きぼう利用プロモーション室から小林智之室長を登壇者に迎えて行われました。

詳細は、以下のアドレスにてご覧下さい。

夢があってイイですね

http://kiboforum.jaxa.jp/learn/activity/120608.html

卵子の老化とは

先日NHKスペシャルで放映された

産みたいのに 産めない~卵子老化の衝撃~をご覧になった方も多いと思う

先日の不妊カウンセリング学会でも

義務教育期間に、不妊についての事実を教えるべきだとの指摘があったが

先進国の中で最も不妊の知識が乏しいという現状を突き付けられた格好だ

フランスでは女性は不妊について教育を受けており

30代から卵子が老化する事実を若い女性はよく認識している

仏政府は42歳までの不妊治療には保険適応で対応し

それ以降は打ち切っている

我が国は不妊治療は全て実費(一部助成制度はあるが)である

以下NHKスペシャルの番組紹介文をご覧いただきたい

いま、全国の不妊治療クリニックに、30代、40代の女性たちが次々と訪れ、

衝撃を受けている。

健康なのに、妊娠の可能性が低いと告げられるのだ。原因は「卵子の老化」。

女性の卵子は年齢とともに年を重ね、

35歳の女性が出産できる可能性は20歳代の半分になる。

しかし、多くの女性はこの事実を治療に来て初めて知るという。

晩婚化が進む現代、不妊は先進国共通の課題だ。しかし、日本は特異な状況にある。

不妊の検査や治療を受けたことのある夫婦は、6組に1組。

不妊治療専門のクリニックが世界一多く、体外受精の実施数も世界一になっている。

女性の社会進出を進める一方で、いつ産むのかという視点を見過ごしてきた

日本のひずみが現れている。

「卵子の老化」による不妊をさらに深刻化させる一因は、男性側にもある。

実は、不妊の原因の半分は男性側にあるが、夫が不妊の検査に行きたがらず、

ようやく治療が始まった時には、妻の卵子が老化しているというケースが後を絶たない。

専門家は「早くに気付いて治療すれば、自然妊娠が見込めるケースも多い」と指摘する。

番組では、全国の医療機関と不妊治療経験者を対象に、大規模なアンケート調査を実施。

“不妊大国”ニッポンの姿を明らかにする。

卵子の老化についての東洋医学によるアプローチを

既に当院では取り組み、成果を上げ始めている

ART(高度生殖医療)を受けながら

鍼灸治療を続けると妊孕率が上がり

流産率が下がるという症例が増えてきている

研修会

昨日は愛知県鍼灸専門師会主催の研修会が

名大鶴友会館で開催された

演者:山田鑑照先生 鍼灸専門師会副会長 医学博士

演題:機能解剖学的鍼灸臨床~

   筋の触診・運動検査法の実際と治療

ポエムズ症候群という難病を機能解剖学的鍼灸治療によって

症状やADLが改善し、患者さんのQOLは大幅に向上した

9月の三県合同研修会では”難病治療への取り組み”という

症例報告や、シンポジウムの開催を控えているので

学術部が開催準備に取りかかっているところだ

”難病治療への挑戦”という命題を自ら与え

研究し、知識を広め、臨床に応用する

之が臨床技術を上げる原動力になっている