深部静脈血栓症血流改善

【深部静脈血栓症(VTE)とは】

下肢および骨盤内などの深部静脈に血栓が生じた状態を深部静脈血栓症という

この深部静脈血栓が遊離して静脈血流によって肺に運ばれ、

肺動脈を閉塞することにより呼吸循環障害を生ずる病態を肺血栓塞栓症という

深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症は連続した一つの病態であり

両者をあわせ て「静脈血栓塞栓症」と称す。

【症状】

深部静脈血栓症では下肢の腫脹、圧痛、発赤などがみられる

【西洋医学的治療は】

第一選択治療は抗凝固療法である(ワーファリンの内服)

【症例】

30代♂

深部静脈血栓症による下肢痛・浮腫

3年前に仕事が多忙で深夜帰宅、睡眠障害、下肢の冷えが酷くなり紫色になる

2年前に咳が出るようになり、ある日下肢が石の様に硬くなり救急病院受診

初めて深部静脈血栓症の診断で慢性の咳も血栓が原因であることが判明

週に一度の鍼灸治療を半年継続した結果

超音波検査で完全閉塞していたSVF(浅大腿静脈)に血流が認められた

弁証:肝鬱気滞・腎虚証

処置:15㎜3番鍼で後谿15分置鍼
   60mm5番鍼で右(患側)胞肓に10分置鍼

経過:下肢痛緩解、下肢浮腫ほぼ消失

考察:発症の原因社会的な背景を考慮すると、明らかに過酷な労働環境にあった

   鍼灸治療を始めて半年間労働環境は変わらず深夜勤務も続いたが

   精査によって初めて静脈の血流が認められた

   今後の体調を熟慮した結果、御本人が転職を決めたことで

   今後さらなる改善が期待できる