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腎虚の主症状

先日老化ではなく東洋医学では「腎虚」というと解説した

東洋医学での「腎」の働きは患者さんにも良く説明するが

個々で詳しく説明しようと思う

腎は「精を蔵する」「水液を主る」「骨を主り髄を生じる」

「成長・発育を主る」「二陰に開竅する」

このような機能が不調になると生じる主症状は

めまい・耳鳴・脱毛・知能の減退・健忘・動作緩慢

腰や膝がだるく力がない・性的機能減退

小児では

泉門の閉鎖遅延・首が座らない・運動機能や知能の発達が遅い

女性では

無月経・不妊など

東洋医学と医学生

患者さんでN大学医学部学生さん

ある難病で鍼灸治療を受けている

当初から東洋医学にとても興味があって

教えて上げた東洋医学の入門書を買いそろえ

脈診や舌診の勉強をされている

いつも来院されると治療の後に質問攻めにあう

西洋医学しか知らない医師とは異なる視点で

患者さんを診る事が出来るスキルを身につけた

素晴らしい医師に育つと信じている

正しい漢方薬の情報

①陰虚証で清熱の処置をしても上手くいかない

患者さんに問診すると

温補作用の漢方薬を内服し続けていた

すぐに内服を中止して経過観察とした

②経過がよかった患者さんに突然手の火照りを伴う湿疹が現れた

問診すると清熱作用の漢方薬を内服していたが

なくなってしまい突然断薬していた

漢方薬と鍼灸治療は車の両輪

正しい薬剤情報を常に更新して把握しチェックすることで

こういった食い違いを防ぐことができる

ヘッドスパで足が冷えた理由

美容師の患者さん

鍼治療を始めて足が冷えなくなり喜んでいたが

最近また足が冷えるという(昨夜は蒸し暑かったのに)

体表所見を観察すると”上熱下寒”

聞くと美容院の新人スタッフの練習台で

2日続けてヘッドスパを受けたとのこと

頭部の強いマッサージによって気逆がおき

相対的に下焦が虚して足が冷えた

足が冷えた病因病理を説明すると納得され

降気の処置をして落ち着いた

http://www.n-*acp.com

西洋医学の限界

日本の医療は西洋医学が中心

医療費が4兆円を超える一方

鍼灸の医療費は僅か1千億(保健取扱いのみ)

自費治療を含めても全体からみると微々たるもの

西洋医学で病名が診断されても有効な治療法がない疾患は数多い

そこで東洋医学の物差しで診たてると

弁証(東洋医学的な病名)し論治(治療方針)をたてることができる

更に重要なのはどうしてその病気になったのかという

疾病の形成と発展の形態を示し、発病メカニズムをつまびらかにし

発病条件、病邪の侵入経路、発病類型、および伝変、転帰の法則

を説明できるところに西洋医学にはない優れた特徴がある

疾病の根本原因を治す道筋が明らかにできれば

鍼灸・漢方薬は素晴らしい効果を発揮できる可能性を秘めているので

鍼を持つ臨床家の高い知識と技術が求められる

日々増え続ける様々な疾病に苦しむ患者さんに真摯に向き合い

結果をだせる臨床家でありたいと思う

今年の梅雨明け後の気候

梅雨の明け方には2パターンある

「梅雨前線北上型」と「梅雨前線消滅型」

一般に、「消滅型」のときは、梅雨明け後も不順な天気が続き

「北上型」のときは、安定した夏空が続くと言われる

「消滅型」は、単純に梅雨前線の活動が弱まっているだけで

潜在的な前線があることが多く、雨が降りやすい

一方で、「北上型」は太平洋高気圧が強まるので

梅雨明け後も晴れが続きやすい

今年は「消滅型」の様相だ

太平洋高気圧の勢力はいまだ強くなく

その間隙をぬって気圧の谷や寒気が流れ込み

寒湿邪の影響を受けやすいので

胃腸が虚弱で下半身が冷えやすい人は

冷飲食の摂り過ぎには注意が必要

http://*www.n-acp.com

夏こそ入浴で身体を温めよう

この時期入浴をせずにシャワーのひとが多い

エアコンで冷えた身体と

冷飲も過多で胃腸が冷えやすいこの時期

湯船につかって温めたほうがよい

但し、入浴することで身体が疲れる人はほどほどに

夏バテ予防にも入浴することをお勧めする

女性の7分丈スラックス

春先から女性のスラックスは丈が短くなり

7分丈のスラックスはこの時期よく見かけるファッション

足首の周囲が素肌であることは実は身体にあまり良くない

エアコンが効いている環境に長くいると足首はかなり冷えてくる

おまけに靴ではなくサンダルやミュールなどを履いていると更に足は冷えてくる

足を冷やすことで下肢の血行が悪くなると・・・

生理不順・生理痛といった婦人科疾患は勿論

様々な不定愁訴の原因になることも多い

ファッションと健康どちらを優先するかはあなた次第

医原性病因

薬の作用による中医学的病機の分類

※薬の効果を否定するものではない

1・気管支拡張剤:肺の宣散と心陽の亢進→気陰損傷と内熱を生じる

2・βブロッカー:肝気・衞氣・心陽を抑制

3・抗がん剤・免疫抑制剤:生気・陰血精を損傷

4・ステロイド:透邪(邪鬼を外に出す)を抑制・陰液を損傷して陽亢・腎陰虚を引き起こす

5・NSAID(非ステロイド系抗炎症剤):生気を抑制→外邪内陥

6・抗うつ剤:肝気と陽気を鼓舞(亢進)→気陰損傷、断薬すると肝気・胆気・肝陽が元より不足

7・甲状腺ホルモン剤:陽気を鼓舞→過剰で内熱・陽亢傷陰

8・抗恒常性んホルモン剤:陽気を抑制→過剰投与で陽虚・気虚・痰湿

9・手術:気血精を損傷、瘀血を生じる・経筋経絡を損傷・邪実を排除

内服中の薬が身体に及ぼす影響の病機を知ることで

鍼灸臨床に大いに活用することができる

その他の病因

電磁波の影響

高圧送電線付近で生活をしている人

携帯電話をよく使う人

電気毛布・ホットカーペット・電磁調理器に密着する

神・精を損傷し陰陽失調を引き起こすことがある

但しこれらの刺激に対する人体への影響は科学的には未解明 

体質による個人差もあると考える