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梅雨と東洋医学

今年は早々と梅雨入りした

梅雨が体に与える影響を気象学より考えると

病因病理は「湿邪」による湿困脾土が中心となるので

飲食不摂生や水分の摂取過剰に注意が必要

梅雨の前半は北西の風の影響や低温により

「寒湿邪」となりやすい

冷飲の摂取過剰に注意が必要

後半は南東の風や高温多湿により

「湿熱」となりやすい

過食やお酒の飲みすぎ、激辛料理は控えめにすることである

以下次回に続く

月と内経気象学その4

満月では攻撃性が高まり、犯罪発生率が有意に上昇することはよく知られている

同じく満月の時期に精神病の急患外来受診も有意に上昇する

特に月と地球の距離が近い時(近日点)と太陽と地球の影響も近い時に

新月や満月になると異常高潮が生じ、天候が荒れ、そして犯罪が多発する

潮汐力(バイオタイド)の強い時に精神が興奮状態になりやすい

カキは満月の時に殻を開く習性がある

サンゴの産卵も必ず満月の夜である

カリフォルニアのトウゴロウイワシは満月か新月前後の晩だけに産卵する

ウニの生殖サイクルは月齢と一致している

人間の生理周期(平均値)は月の周期(29.5日)と一致している

このように月の満ち欠けは、自然界の生物の生命活動に強い影響力を持っている

もし月がなかったら現在の地球と全く違ったものになっていることは容易に想像できる

かように月と地球の関係は想像以上におおきいのである

月と内経気象学その3

月齢に応じた治療

治療するにあたって月齢を意識せずに治療をするなかれである

月の満ち欠けの状態を知り気血の状態を知らないで行うと

虚実・補瀉の大きな過ちを犯すことがあるので

常に意識し補瀉を決めるべきである

新月では気血が弱っているので外邪の侵入に十分注意して

※1瀉法は行わず、※2補法をすべきである

満月では気血が充実しているので外邪の侵入が起こりにくいが

補法でなく、瀉法をしてもよい

但し、臨床では新月でも気血がしっかりしていて実証のものは

瀉法を行うべきであるし、満月でも生気の虚がみられる場合には瀉法してはならない

※1瀉法とは鍼の刺激を強くすること

※2補法とは鍼の刺激を弱くすること

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月と内経気象学その2

《黄帝内経》「素門」八生神明論より抜粋

新月より月が生じ始めると気血は徐々に盛んになっていき

衛気もめぐりはじめる。満月になると気血は充実して

肌肉は気血により十分に養われ頑強となる

満月より月が欠け始めると肌肉は気血の養いを失い

衰え経絡も虚ろになり体表の外衛である衛気は去り形のみとなる

【解 説】

ここでは月の位相変化と人への影響が明確に表現されている

月の位相関係に伴い、気血は充実したり虚衰したりする

気血が弱ってくると、肌肉と衛気がその外衛としての働きを失い

外邪に対抗できなくなる、すなわち

新月に近いほど外邪の侵入が容易になり発病しやすいと述べている

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月と内経気象学

月の満ち欠けにより人の気血は盛衰するという考え方は

西洋にも古くからあった

2300年前の東洋医学の最古の医学≪書黄帝内経・素問・霊枢≫

での月と身体の相関関係を築いた内容はおそらく世界最古のものであろう

一見迷信のように考えられがちであるが書籍「月の魔力」などにより

月と身体の密接な関係が少しずつ明らかにされつつある

月の位相関係により気血が影響を受けるというのは

内経気象学の重要な一分野であるので今後連続して解説したい