片頭痛

片頭痛の有病率は国民の8.4%と高頻度であり

痛みの程度が中等度から重度であり著しくQOLが阻害されることが多い

片頭痛の分類

1・前兆のない片頭痛
  
  頭痛発作を繰り返し、発作は4~72時間持続する

  頭痛は片側性、拍動性で、中等度から重度の強さであり

  随伴症状として悪心や光過敏、音過敏を伴う

2・前兆のある片頭痛

  前兆(視覚・感覚・言語状態)は通常5~20分にわたり徐々に進展し

  かつ持続時間が60分未満で、両側、片側性、拍動性の発作を繰り返す

中医学による分類

1・肝陽上亢(ストレスなどにより気逆がおきる、肝腎陰虚により虚熱が上亢する)

2・お血(血液の停滞による所謂、ドロドロ血液の状態)

3・寒飲(四肢の冷えによる)

4・血虚(血が足りないので脳髄を栄養できない)

続きは次回に解説します

痙攣性発声障害の治療

40代♀

SD(痙攣性発生障害)発症して数年

来院当初は少し大きな声を出すと横隔膜の不随意な痙攣がおき

所謂声がふるえる状態であった

音楽家なので歌を歌えるようになりたいという強い希望がある

空間論による上下左右の法則に基づき左滑肉門を主に使って治療すること約半年

最近は普通の会話では震えが認められなくなり

さらに、歌を歌えるようになってきた

難治性のこの疾患は多くの患者さんが悩んでいるが

中医学弁証による少数鍼の治療は明らかに有効である

学術大会参加

9日10日は札幌で

(公社)日本鍼灸師会主宰の学術大会があり参加してきた

様々なプログラムがあったが、印象に残った講演は

昨年発足した厚労省のプロジェクト

”漢方鍼灸を活用した日本型医療の創成に我々鍼灸師はどうか関わっていくか”

という問題のパネルディスカッションだった

座して待っていても国は動かない

鍼灸師の団体、学会が一つになり卒前、卒後教育に取り組む

特に卒後教育では学会や研修会に参加した鍼灸師の評価システムをつくり

一定の基準を満たした鍼灸師を認定、専門、鍼灸師として登録し

例えば保険の同意疾患については、同意書なしで保険治療ができるようにする

同意書については非常に困難な問題ではあるが

業団体が動かなければ100年経っても変化は訪れない

現在医学部の一部で鍼灸の実技や講義が行われているが

医学生にはとても好評で目を輝かせて鍼に興味を持つそうである

こういった医師が世に多くなればおのずと鍼灸医学への理解も深まり

病院との連携を深めて患者さん中心の真の”統合医療”が実現するはずである

数年以内には全ての医学部で鍼灸医学が単位に組み込まれる見込みで

今後10年程度で国家試験を合格した新しい世代の医師たちは

鍼灸医療に格段の理解を示すはずである

それまでに我々鍼灸師は大幅な資質向上と研鑽を積みあげて

患者さん中心の日本の新しい医療に西洋医学と対をなす医学として

認められる日が来ると信じている

顎関節と空間論的治療

顎関節症で空間論的な診たてをすると

臍の左右の経穴で”天枢”に左右差が認められる事が多い

今日は2例ほど顎関節の動きのアンバランスを調整した

患側の”天枢”に鍼を打つと直後から動きがスムーズになる

お腹のツボに1本鍼を打つだけなので

患者さんは???というキツネにつままれたような表情になる

ヒトの身体全体を一つの空間と診てアンバランスを整える

”前後左右の法則”に基づいた”空間論”の治療は大変奥深く

今後も様々な疾患への応用が期待される

[http://www.n-*acp.com]

右の気滞

40 代 ♀

慢性的な腰痛、肩背部痛

問診を40 分、体表観察10分

弁証は肝鬱気滞による右の気滞

治方は疏肝理気

取穴は右太衝に10 分置鍼

治療後は全ての痛みがほとんど消失か軽減

弁証が正確で取穴が正しければたった1 本の鍼で

驚くような効果を示す

但し慢性疾患なので3 日後の再診で経過の確認が必要

患者さんは笑顔で帰られた

寒気の南下と寒邪

最近朝晩冷え込みを感じるようになった

上空には真冬並みの寒気が南下してきている

病邪という病気の原因となる外因(生体以外の外から侵入する邪気)には

風邪・寒邪・湿邪・熱邪・燥邪・火邪という六淫の邪気がある

このところ”寒邪”により軽い風邪の症状を発症する人が多い

体表では外関・風門・肺兪等の経穴の左右差や発汗・冷え等を調べ

脈が浮いてきているようなら、大方冷えや発汗えを認める上記の経穴に

瀉法をすると寒気や喉の痛み等が早期に緩解する

※この”気象学”という書庫の内容は

北辰会講師の橋本浩一先生(鍼灸師・気象予報士)の著書

「内径気象学入門」緑書房よりしばしば引用させていただいている

この本は黄帝内経≪素問≫陰陽応象大論に記述されている

気象学の原理・法則に基づき、現代気象学も応用した世界で初めての名著である

興味がある方は一読をお勧めする

東洋医学を学ぶ医師達

昨日は大阪で”北辰会”臨床部会があり

スタッフと仲間8人で参加してきた

午前中は”原穴診”一緒になった相手は初参加の医師だった

最近医師の会員が増えている

内科系の医師が多いが

昨日のDrは自分の腰椎椎間板ヘルニアを藤本蓮風先生に

治してもらって、鍼灸(東洋医学)に注目し

東洋医学のいろはから学び始めたところだそうだ

東洋医学を学ぼうとする医師は

患者さん中心の医療を目指している真摯な医療人だ

子供の噛み合せ不良と肩こり

中学生♀

慢性的な頑固な肩こり

歯並びを診ると奥歯だけが噛み合っていて

噛み合せても他の歯は全く浮いた状態

矯正歯科でワイヤーブラケットで矯正中であるが

治療が終了するまで数年かかりそうである

頑固な肩こりの原因はこの噛み合せの不良にあった

左右の胸鎖乳突筋が異常に緊張しているので

僧帽筋(肩の筋肉)も影響して石のよう硬い

矯正歯科と協調して治療が必要な症例だ

お子さんのひどい肩こりは歯のかみ合わせをチェックが欠かせない