インフルエンザその2

インフルエンザその2

インフルエンザの症状は激しい悪感、関節痛、高熱が主である

最近は簡易検査キットで内科で検査が受けられる

診断されるとほとんどタミフルかリレンザが処方され

4~5日は寝込むことになる

動けるようになってから鍼治療に見える患者さんは

多くは咳や痰、身体のだるさを訴える

ウイルスという「邪気」多くは「熱邪」に対して「生気」が戦った後の疲労感

あるいは、体温を上げてウイルスと闘っている身体に対して、タミフル等で

一気に熱を下げることによて時に熱をこもらせ、回復を遅らせる

今日来院された、39℃の発熱後6日目の患者さん

咳と痰・だるさや、肩こりを訴える

左の列缺に発汗があり、鍼を置く

10分の置鍼後に脈は落ち着き、自覚症状は消失

インフルエンザ罹患後に残った症状には鍼治療がよく効く

中国では伝染性の熱病に対する学問「温病学」が

明、清の時代、凡そ3、400年前に確立されているという事実には驚愕するしかない

現代でも通用する「温病学」を用いて、インフルエンザへの鍼治療の可能性につい

て研究する余地が大いにあると考えている

結膜下出血

結膜下出血

結膜下出血とは、結膜下の小さい血管が破れ出血したもので

白目部分がべったり赤く染まるので患者さんはびっくりして眼科に行くが

病気ではないので異常なしとして適当な治療がない

東洋医学では

1・風熱犯肺

2・肝火

3・陰虚火旺

多くはこの3種に弁別する

治法は母指の「少商」からの刺絡がよく効く

一般には出血が消失するまで1~2週間程度かかるが

この処置をすると2~3日で消失する

極めて有効で安全な治療なので白眼が真っ赤になって気になる方にはお勧めする

不正出血

往診先の患者さんの寒椿の絵

不正出血

不正出血が続くときは一度婦人科で精査を受けて原因を調べることは必要

精査の結果異常がみられないが月経期以外で出血が続くときには

鍼灸治療がよく効く

東洋医学では「崩漏」という

「崩漏」とは、子宮出血・月経過多・五色帯下・切迫流産・子宮筋腫等の

性器出血などがこれに相当する

1・気虚による気の固摂作用の低下

2・脾不統血による出血

3・腎陰虚による出血

4・腎陽虚による出血

5・血òUによる出血

およそ以上5種に弁別する

比較的多いのは「脾不統血」によるもので

飲食不摂生や、下痢などで胃腸が弱っていると

「脾の統血作用」が低下し出血しやすくなるのである

この場合は「隠白」のお灸が奏功する

今日も2人の患者さんが、一度のお灸で出血が止まったと喜ばれた

花粉の飛散が増えてきました

花粉症

立春が過ぎてから最高気温が10℃を超え始め

陽気の高まりを実感していたら

花粉症を訴える患者さんが増え始めた

環境省の花粉予報システム「はなこさん」
http://kafun.taiki.go.jp/

によると、名古屋市北区での観測地で今日の午前10時に

1㎥あたり花粉の数が三桁を超えていた

瞬間的に1,361個を記録したようだ!

観測が始まって数日間は1㎥あたり二桁台で推移していたが

今日は一時的に地域によっては多くの花粉が飛散した今年初めての一日となった

1㎥あたり三桁を超えると症状のきつくなる患者さんが多い

今日だけでも10人に花粉症に効果的な耳ツボを使って処置をした

どのような治療か興味があれば過去ログを見てください

逆流性食道炎

逆流性食道炎

【西洋医学的な解説】

逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食物が食道に逆流して、

そこにとどまるために、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状を引き起こす

逆流性食道炎は、もともと日本人には少ない病気でしたが、食生活の変化などによって、

最近、診断される患者さんが増えている

【東洋医学による解説】

肝気犯胃:ストレスによって肝気が上逆し、胃を犯すと発症する

脈は浮弦脈、舌診は舌尖が紅、または紅刺

腹診は心下から胃土、肝の相火に邪が認められる事が多い

治法:平肝清胃

経穴:内関・公孫・太衝・行間など

この疾患には鍼灸治療がよく効くので知っていただきたい

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎

60代♀

数年間2ヶ月に一度内耳に滲出液が溜まり

耳鼻科でその都度穿刺し水を抜いている状態で

西洋医学では溜まったら水を抜く以外の治療は現状ではできないと

大変困っておられた、旅行がお好きで飛行機に搭乗した後に悪化するとのこと

今回は飛行機搭乗前に患側の「関衝」から刺絡をした結果経過が良好であったと

大変喜ばれたので効果について検証してみたい

耳をまとう経絡は手の少陽三焦経である

三焦は水穀の精緻の気、津液を肌肉に出入せしめ

肌肉は三焦の通道を得て水穀の精気によって温陽せられる事となる

三焦は水穀の精気を輸送するばかりでなく気化作用を合わせ持っており

津液を気化し、汗として排出し、尿として排出する

三焦は体内における水液の流通と排泄の器官であり

又、流通と排泄の通路でもあり、肺・腎・膀胱・ò]理などと密接なかかわりを持って

水分代謝の全過程に関わっている・・・と古典に記述がある

手の少陰三焦経の井穴である「関衝」から刺絡をすることにより

津液の気化作用が高まって滲出液の貯留がなくなったと考えられる

このように中医学の理論によって検証し弁証した治療は普遍性があるので

今後多くの滲出性中耳炎の治療に役立てることができると期待できる