腰椎椎間板ヘルニア

                                患者さん撮影

先日腰椎椎間板ヘルニアによる腰の激痛、下肢痛で
歩行もままならない女性の患者さんが来院された

医師からはヘルニアは治らないといわれている

SLR(下肢伸展テスト)は患側10°(+++)と腰椎椎間板ヘルニアとしては非常に重症である
診たては「左下焦の気の停滞」とし、百会左に1本鍼をした、腰部へも軽く鍼とお灸も加えた

2回の治療でSLRは90°(-)となって3回の治療で痛みは消失した
1週間だけ、立ち仕事は休んでいただいたが、今は元気にお仕事をされている

東洋医学は痛みの疾患であっても、気の偏りを整えるだけで苦痛から開放することができる
ヘルニアは治らないといった医師の言葉は間違っているわけではない

MRIの画像診断ではヘルニアが消失したわけではない

これは椎間板ヘルニアの症例で、鍼治療前と治癒した後のMRI画像を確認したところ
脱出した椎間板(正確には髄核)にはほとんど変化がないにもかかわらず、
自覚症状は消失し、経過も良好である患者さんを多数経験しているからである

ということは、機質的(画像などで異常が認められる)な病変があっても発病
(痛みを自覚すること)の原因は東洋医学的には、別のところにあるということである

この患者さんは大きなストレスを抱え、仕事も休めない状況の中で無理をされていた
「肝欝気滞」が病因の大きな要素となっていたのである

円形脱毛症の症例

【円形脱毛症の症例】

患 者:39才女性OL

初 診:平成21年12月15日

現病歴:昨年11月に美容院で頭頂部の500円玉大の円形脱毛に気づく。
    社内でのトラブルが多く最近精神的に落ち込むことが多くなったとのこと。
    皮膚科などは受診していない。

脈 診:浮弦数

舌 診:紅、列紋、無苔

腹 診:心窩に虚

弁 証:肝腎陰虚症

処 置:脱毛部に40㎜1番のステンレス鍼で十字鍼、右照海に20㎜3番のステンレス鍼を10分置鍼。
    腹臥位で右腎兪に10分置鍼。梅花鍼を2~3分使用。
    以後、内関、天枢、膈兪などを使用。

経 過:第6診目頃から発毛が始まり、第11診目には脱毛部の全体に発毛が「見られるようになる。
    第15診目、初診から約3ヶ月で見分けが付かなくなり。治癒とする。

考 察:ストレスによって陰液を消耗し、髪を栄養できなくなって発病、
    補腎、疏肝理気の処置によって治癒したと考えます。
    円形脱毛は最近受診患者さまが多く、鍼治療で100%治癒します。
    再発をくり返す多発性の円形脱毛も、治癒しておりますので受診をお勧めします。

妊娠しました!

【妊娠しました!】

不妊症と不定愁訴の治療で通院中のKさん(41才)が結婚7年目で、

初めての妊娠が確認されました。

過去に人工授精2回、体外受精2回いずれも妊娠に至らず、

当院で鍼灸治療を始めて6ヶ月、週に一回の通院で体質改善ができた

結果、初めて人工授精で妊娠に至りました。

妊娠中も安産と健康管理のために通院されています。

東洋医学による弁証としては「肝欝気滞」でした。

Kさん、出産まで一緒にがんばりましょうね。

ハードル選手の腰痛

【難治性の腰痛と生理不順が一ヶ月の鍼灸治療で治癒した症例】

患 者:17才女性

主 訴:慢性腰痛

現病歴:小学校4年生でクラシックバレエをして腰痛発症、中学高校は陸上部に所属し、
    高校2年の8月に練習中に腰痛再発する。
    整形外科受診し、レントゲン、MRI検査で第4腰椎と第5腰椎の間隔が狭くなっている、
    と言われ、他の鍼灸院に通院したがあまり改善せず、1時間の授業中も痛みで苦痛を訴える。
    陸上部は休んでいる。
    月経は小6から始まるが、不順で2~3ヶ月ないときもある。
    

脈 診:中位で滑脈

舌 診:淡紅色、胖大、舌裏静脈の怒張

腹 診:右脾募、左肝の相火、左大巨に邪を認める

弁 証:湿困脾土・気滞血お

処 置:右三陰交に10分置鍼、腹臥位で左脾兪に10分置鍼

経 過:初診は’0911月25日、週に2回の治療を開始する
    第4診目で授業中の辛い腰痛が消失、第5診目から軽いジョギングができるようになり、
    第7診目以降からは1500m走っても腰痛は感じなくなり、月経も再開する。
    月経があってからさらに腰の状態もよくなり。
    3月のインターハイ予選に向けて練習を再開するようにアドバイスする。

考 察:飲食不摂により脾の機能低下によって月経が停止、お血が生じて腰痛が悪化したと考える。

局所の治療のみでは治らなかった腰痛、生理不順が1本の鍼治療で治癒した。

    弁証が正しくなされ、五臓の脾のバランスが整ったことが治癒にいたったと考えます。