熱中症の対応

梅雨明け前から全国的に高温が続いているので

熱中症と思われる患者さんが増えている

野外でスポーツをする場合には特に注意が必要

頭痛、だるさ、吐き気、などを感じたら

スポーツドリンクや塩分を摂取

日陰や涼しい場所に速やかに移動し

脇の下や頸動脈に保冷剤等をハンカチに巻いて当て

頭に行く太い血管を冷やす

保冷剤がなければ自販機の冷たい飲み物でも代用できる

応急処置で改善しなければ迷わず病院に直行すること

頭重やだるさが残ったら東洋医学の出番

こもった熱を速やかに冷ます”清熱”の処置で

寛解することができる

横アーチに問題があるモートン病の対応

足の裏の指の関節周囲の痛み(灼熱感を伴う場合も)痺れがある場合

それはモートン病かもしれない

整形外科で診断されるても治療法がなく

当院に来院される方が増えている

殆どの症例で空間的な歪を整える

「空間診」による少数鍼で治してきたが

治療に抵抗する場合

足のアライメントを観察すると

前足部横アーチの低下が認められることが解ってきた

前足部横アーチは

緩衝作用と体重支持に働く

第1~5中足骨頭で構成されるアーチ

横アーチを構成する重要な筋は、長腓骨筋と後脛骨筋

この2つの筋は下腿の外側、内側から回り込み

長腓骨筋は外側から第1中足骨を外側へ

後脛骨筋は内側から第2~4中足骨を内側に引き込んで

互いに、骨を引き込みあうことで、横アーチを形成している

対策は鍼治療と並行して筋力増強トレーニングが有効

自宅でセラバンドを用いた長腓骨筋と後脛骨筋を鍛え

床に置いたバスタオルを足の指で引き寄せる運動も

横アーチをつくるために効果的であることが示された

院内勉強会

今夜は院内勉強会

チーム①

トライデント美容鍼灸科卒業の芳賀先生から

美容鍼の施術講義+実技指導

チーム②

発達障がい勉強会に向けて、症例報告の作成

チーム③

北辰会式体表観察実技

院長

出納帳の作成

愛知県鍼灸師会関連の業務連絡事項作成

22:30まで頑張りましょう

過剰な食欲を抑制する

ダイエット目的の耳ツボ療法は昔から存在するが

中には健康食品を抱き合わせで販売するなど

無資格者による高額で怪しい施術も多い

当院では耳つぼダイエットについて

一切施術しない方針をとってきた、が

親しくさせていただいているある医師が

過剰な食欲を抑制することは心身の健康に重要で

治療として耳ツボを使っては、とのアドバイスを頂き

ストレスフルによる過剰な食欲を抑制する目的で

耳ツボの神門・飢点に0.3㎜のパイオネックスを

患者さんに試したところ

90%の有効率が得られた

ダイエット目的ではなく

健康増進のために必要であれば

取り入れるというスタンスで

症例を増やしたいと思っている

母のこと

昨日は母の84才の誕生祝の食事会

妹、私、妻、母の4人水入らずで食事を楽しんだ

母は小学生の時に両親を病気で亡くし

幼少時は兄弟3人が離れ離れになって

想像を絶する苦労をしたらしい

姉は糖尿病と認知症で施設暮らし

弟は糖尿病と胃がんで闘病中

母は3人兄弟では一番元気で健康

時病だった糖尿病も治った

同じ兄弟で何が違うかと言えば

①根っからの明るく前向きな性格

②歩いて20分の東別院(お寺)で週に5日しているボランティア

③一人暮らしで友達が多い

④50歳から30年間週に一度の鍼治療を欠かさないこと

いつまでも元気でいてほしいと心から思う

名大医学部総合診療科統合ヘルスケアチームについて

【私が所属する“名古屋大学医学部統合ヘルスケアチームとは】

2012年名古屋大学医学部附属病院総合診療科において

「統合ヘルスケアチーム」が結成され

日本初の統合医療の実践が始まった

統合ヘルスケアとは、医師と患者の※コンコーダンスに基づき

西洋医学と補完代替療法とを融合(単なる併用ではない)させた上で最適な治療を行うこと

名古屋大学医学部研究棟でラウンドテーブルディスカッション(症例検討会)

が3ケ月に1回行われ設立当初から参加している

名大統合ヘルスケアチームのメンバーは

医師、中医師、鍼灸師、保健師、運動療法士

管理栄養士、臨床心理士、芳香療法士、ヨーガ療法士で構成される

どこへ行っても何をしても改善がみられない

難治性患者のために「多職種連携」し

多角的なアプローチを行う統合ヘルスケアは

今後ますます必要とされる医療になると考えられる

総合診療医の先生たちと熱いディスカッションを交わしていくことで

更に臨床能力を高めたいと思っている

※コンコーダンスとは、「患者を尊重し、医師と患者が一緒になって
治療方針の合意に至るプロセス」という医療の考え方

良い睡眠12箇条その12

【第12条・眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を】

専門家に相談することが第一歩

薬剤は専門家の指示で使用

寝つけない、熟睡感がない、十分に眠っても日中の眠気が強いことが続くなど

睡眠に問題が生じて、日中の生活に悪い影響があり

自らの工夫だけでは改善しないと感じた時には

早めに専門家に相談することが重要です

例えば、ひとり夜眠れないでいることはつらいだけでなく孤独感を感じるものです

そのつらさは家族にもなかなかわかってもらえないことがあります

そのため、相談できる人を持つことは大きな助けとなります。

苦しみをわかってもらうだけでも気持ちが楽になり

さらに、睡眠習慣についての助言を受けることで

睡眠が改善する手立てをみつけることができる可能性があります

また、よく眠れない、あるいは日中眠たくて仕方ないなどと感じたら

それは「からだやこころの病」の兆候かもしれません

身近な専門家に相談することが大切です。

睡眠薬などの薬を用いて治療を受ける際は

医師に指示された用法や用量を守り、薬剤師から具体的な服薬指導を受けることが重要です

また、薬とお酒とを一緒に飲まないことは特に重要です

お酒と睡眠薬を同時に飲むと、記憶障害、もうろう状態等が起こる可能性があり、危険です

「厚生労働省健康局発信の健康づくりのための睡眠指針より抜粋」

できるだけ薬に頼りたくない場合

東洋医学的に診たてる鍼灸治療は有効な選択肢といえます

良い睡眠12箇条その11

【第11条・いつもと違う睡眠には要注意】

睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意

眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談

睡眠中の心身の変化には、専門的な治療を要する病気が

隠れていることがあるため注意が必要です

睡眠中の激しいいびきは、喉のところで呼吸中の

空気の流れが悪くなっていることを示すサインであり

睡眠時無呼吸症候群などの睡眠中の呼吸に関連した病気の可能性があり注意が必要です

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、適切な治療を受けることで症状が改善し

高血圧や脳卒中の危険性が減ることも示されています

このため、睡眠時無呼吸症候群の予防と早期発見が重要です

また、就寝時の足のむずむず感や熱感はレストレスレッグス症候群

睡眠中の手足のぴくつきは周期性四肢運動障害の可能性があります

これらの病気があると、一定時間眠っても休息感が得られず

日中に異常な眠気をもたらすことがあります

さらに、睡眠中の歯ぎしりがある人は顎関節の異常や頭痛を持つことが多いことが示されています

いずれも医師や歯科医師に早めに相談することが大切です。

また、うつ病の多くでは、寝つきが悪く、早朝に目が覚めたり

熟睡感がないなどの特徴的な不眠を示します

こうした特徴的な睡眠障害を初期のうちに発見し適切に治療することは

うつ病の悪化を予防することにつながります

きちんと睡眠時間が確保されていても日中の眠気や居眠りで困っている場合は

ナルコレプシーなどの過眠症の可能性もあるので

医師による適切な検査を受け、対策をとることが大切です

以下続く

良い睡眠12箇条その10

【第10条・眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない】

眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない

眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする

眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

寝つける時刻は季節や日中の身体活動量などにより変化し

一年を通じて毎日同じ時刻に寝つくことが自然なわけではありません

就寝する2〜3 時間前の時間帯は一日の中で最も寝つきにくい時間帯です

不眠を経験すると、心配になって早くから寝床に就こうとしがちですが

意図的に早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります

就床時刻はあくまで目安であり、その日の眠気に応じて

「眠くなってから寝床に就く」ことがスムーズな入眠への近道です

不眠を経験し「今晩は眠れるだろうか」という心配を持ち始めると

このことによって緊張が助長され、さらに目がさえて眠れなくなってしまいます

こうした場合、いったん寝床を出て、リラックスできる音楽などで気分転換し

眠気を覚えてから、再度、寝床に就くようにするとよいでしょう

寝床に入る時刻が遅れても、朝起きる時刻は遅らせず、できるだけ一定に保ちましょう

朝の一定時刻に起床し、太陽光を取り入れることで、入眠時刻は徐々に安定していきます

積極的に遅寝・早起きにして、寝床で過ごす時間を適正化することが大事です

以下続く

良い睡眠12箇条その9

【第9条・熟年世代は朝晩メリハリ、昼間に適度な運動で良い睡眠】

寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を

適度な運動は睡眠を促進

健康に資する睡眠時間や睡眠パターンは、年齢によって大きく異なります

高齢になると、若年期と比べて必要な睡眠時間が短くなります

具体的には20歳代に比べて、65歳では必要な睡眠時間が約1時間少なくなると言われています

したがって、年齢相応の適切な睡眠時間を目標に

就寝時刻と起床時刻を見直し、寝床で過ごす時間を、適正化することが大切です

長い時間眠ろうと、寝床で過ごす時間を必要以上に長くすると

かえって睡眠が浅くなり、夜中に目覚めやすくなり、結果として熟睡感が得られません

適切な睡眠時間を確保できているかを評価する上では、

日中しっかり目覚めて過ごせているかも一つの目安になります。

一方で、日中に適度な運動を行うことは、昼間の覚醒の度合いを維持・向上し

睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけることに役立ち

睡眠を安定させ、熟睡感の向上につながると考えられます

以下続く