急性腰痛を後谿で

50代♂

昨日しゃがんだ際に左腰痛発症

来院時は代償性側弯を呈し傾いて歩いている状態

S先生が担当し

左胆経腰痛・経気不利と診たて

左後谿に2番鍼で10分置鍼

直後に痛みは半減し側弯は消失

普通に歩行が可能になる

入念な体表観察による少数鍼の症例

熱病における顔色の様相

≪黄帝内経絡・素問≫刺熱篇

第二章 熱病における顔色の様相

肝の熱病の場合は左の頬がまず赤くなる

心の熱病の場合は額がまず赤くなる

脾の熱病の場合は鼻がまず赤くなる

肺の熱病の場合は右の頬がまず赤くなる

腎の熱病の場合は頤(おとがい)がまず赤くなる

これは五行の理論的な原則なので

経験的実証的医学からは若干乖離している

次回は顔望診としてより実践的な解説を

腰部脊柱管狭窄症

上は治療前 下は治療後(向かって左の淵の紅色が薄くなっている)

腰部脊柱管狭窄症に於ける舌の変化

60代♂

5年前から右腰~臀部下肢足底の痛みしびれ発症

鎮痛剤や血流改善薬を内服するも主訴は悪化

間欠性跛行は5~10分

右胆経経気不利と診たて

右足臨泣に置鍼

舌苔薄くなり、右舌辺の紅色が薄くなる

主訴も軽減し自発痛は消失

勿論通院が必要であるが

一本の鍼による大きな変化に驚かれた様子

希望が見えて気色も良くなった

素問霊枢における熱病の考え方

≪黄帝内経・素問≫刺熱篇

「素問」・「霊枢」における疫病(感染症)の記載は

その病位を枠組みとして行われている

熱病の場合は、皮肉筋骨の熱病・経脈の熱病・臓腑の熱病に分ける

第一・五臓の熱病の症状と予後と治療法

第二・熱病の初発症状とその治療法

第三・顔色の変化による病の予後判定法

第四・五臓の熱病における赤色の顔面の出現場所

第五・脊椎間の経穴による熱病の取穴法

「傷寒論」には経脈上に位置する熱病の証治を述べたもので

熱病全体にわたるものではないので

「傷寒論」のみによって熱病の証治を考えようとする

日本漢方の視野は狭窄に過ぎると考える

※≪黄帝内経・素問 訳注≫から引用

表寒裏熱

50代♂

39℃の発熱で内科受診後3日経過

頭の芯の痛みが取れず微熱あり

内科で処方された5種の薬を内服中

百会の熱以外は全身の冷え

百会に10分間置鍼

治療後に全身が温まり

頭痛も寛解

百会の鍼によって気滞が取れ

表寒裏熱による陰陽のアンバランスが整った症例

玄侑宗久氏の講演

昨日ブログに書いた玄侑宗久氏の話題になり

学会講演のDVDを患者さんに貸し出して大変喜ばれた

ココロに迷いがある現代人には

多くの示唆を示してくれる内容

希望者には来院時にお貸ししますので

申し出てください

身心不二の叡智

1日の院内勉強会で放映した

玄侑宗久さん(作家・住職)

の講演内容はとてもよかった

自らの鍼治療の体験談から始まり

陰陽論の展開や

ココロの問題について深く探求することができた

強調されていたのは

何時も”私”という意識が起動しない状態に持っていけると

痛みも悩みもなくなるんだと

”私”という意識がなくなれば

直感力を高めることができるのだと

臨床にもすぐに役立てることができる重みのある講演であった

来年の鍼灸学会学術大会にも招かれたそうだ