頚椎症

愛知郡東郷町 加藤 正春 61才

左腕が上げられない、曲げられない。箸より重いものは持てない。4月始めのことであった。痛くなった理由は色々考えられるが、それどころではない。一日も早く治したいの一心で、整形外科へ行った。レントゲン撮影の結果は頚椎の圧迫からくるものと診断されたが、このことは想定の範囲内であった。腰と首を温め牽引された。2週ほど経過したが、痛みは依然として続いていた。野菜作りの畑仕事をしなくてはという時期でありながら農作業はできない毎日、焦り始めていた。 伝に鍼治療がいいと聞き、おそるおそる長岡治療院へ行くことにした。4月の半ば過ぎのことである。鍼灸の治療をしたことのない私にとって、鍼は痛いもの、灸は熱いものとしか考えられなかったのである。 週間ほど一日おきに通った。鍼は痛くないし灸は熱くなかった。そのうちに、不思議と痛みが少なくなっていくのを覚え始めた。治療中のことであるが、鍼をうたれた体ではあるが、妙にけだるさを覚え睡魔に襲われ、眠りながらの治療というところである。 的確なツボにうたれる鍼と灸が痛みを和らげ、今では、農作業も可能となり、茄子やキュウリが食卓におめみえしている。診察中の院長先生の僅かの話もなかなかおもしろく、楽しいものがある。 たれている鍼の様子は見たいとは思わず、いまだに見たこともない。鍼灸は眠りながらの治療で痛みは和らぎ、体に実にいいと感じながら、体のメンテナンスにもと、欲張りな思いで長岡治療院に通い続けている。